カスタマーエンゲージメント


「コーヒーを飲む前と後で変わるペルソナ」リアルタイムセグメンテーションと対応するマーケティングプラットフォームとは?

Team Braze 作成者: Team Braze 2023/04/12

顧客との良好な関係性を作るのは、F1のレースカーを運転するようなものです。マーケターは、チェッカーフラッグにたどり着くために、目もくらむほどのデータソース、チャネル、テクノロジーを駆使し、タッチポイントに誘導する必要があります。
しかし、実際の状況を反映しない顧客セグメンテーションでマーケティングを行っていませんか?それは、車に乗り込み、ハンドルを握る前に、目隠しをするようなものです。確かに、どこに向かっているのかをおおまかに把握できればよいのかもしれませんが、絶対に正確に進めません。その間にも、広告費などのマーケティング支出はどんどん浪費されます。
顧客への理解が深くなければ、質の悪いパーソナライゼーションが発生し、消費者の 63% がブランドからの購入を完全にやめてしまうリスクがあります。

マーケティング チームは、消費者の嗜好や行動の変化に、柔軟に対応する必要に迫られています。クロスチャネルでパーソナライズされたプッシュ通知は顧客との対話に有効ですが、問題はそのやり方です。
マーケティングはテクノロジーを活用した、データドリブンでの活動がとても重要ですが、データ分析ツール ( AmplitudeMixpanelなど) を活用しても、リアルタイムのオーディエンス セグメントの構築には、多くの企業が依然、苦労しています。一方、顧客の 70%は企業からパーソナライズされた体験を提供されることを望んでいますが、残念ながらデータの多くはそのような体験の提供に活用されていません。また、顧客の状態は絶えず変化しています。コーヒーを飲む前と飲んだ後の顧客の心理状態は変っているはずで、その時点でペルソナは変わった、と考えるべきです。
最新の顧客の情報を把握できる適切なツールがなければ、この種のリアルタイムな体験は提供できません。コーヒーを楽しんだ後に、割引クーポンが送られることがあれば、その顧客のブランドへの幻滅は想像に難くありません。二度と来店しないかもしれませんし、近くの競合のコーヒーショップに足を運ぶかもしれません。

多くの人がこのような話を耳にしたことがあります。実際、多くのブランドは、複数のソースからデータを集め、ビジネスに活用することに大きな課題を抱えています。Brazeでは、お客様のビジネス目標を達成するために、仮説作りと検証が効率的にできるプラットフォームを構築しています。もちろん、顧客セグメンテーション自体への理解は高いと思います、ただ、セットアップに時間がかかる、あるいは複数ソースを活用したカスタマーエンゲージメントの価値が腹落ちしていない場合は、まさに Braze の出番です。潜在的なブランドの力を最大限に発揮できれば、より高い利益率、顧客の生涯価値(LTV)、およびブランド ロイヤルティの向上が実現できます。

この記事では、リアルタイムセグメンテーションを適切に行う方法について解説したいと思います。

そもそも、リアルタイムセグメンテーションって何ですか?

リアルタイムセグメンテーションは、正確にセグメンテーションを行うことと同義です。つまり、ユーザーがアクション、たとえば、カートに入れる、購入する、カゴ落ち、アカウントへのログインなどをすれば、そのユーザーの新しいジャーニーが開始される、と考えることもできます。これは、マーケティング活動による新しいオファーやクーポンなどの提供を遅延なく、適切なタイミングで提供するできることを意味し、結果的に、顧客が清々しい気持ちで価値ある体験を得る事ができます。

企業がセグメンテーションをする場合、顧客の行動、人口統計、または顧客の特性に基づいてグループ分けします。すでにサービスに加入している顧客と、まだ加入していない顧客に異なるメッセージを送信する、そんなアプローチはすでに行っているかもしれません。問題はその先をイメージして施策を展開できているか?です。7 日間アプリにログインしていないユーザーのみに再度チェックインするよう促したり、そのオーディエンス自体を再度セグメント化して、新しいカスタマー ジャーニーを開始させれば、眠りにつきそうな顧客の共感が得られ、効率的なマーケティング投資に直結させられるかもしれません。

ユーザーセグメンテーションの仕組み

リアルタイムセグメンテーションを活用したマーケティング施策は顧客にお気に入りの音楽をプレイリストとして、Spotifyに用意しておくようなものです。アプリがユーザーが聴く楽曲を分析し、パーソナライズされたプレイリストを作成する。リアルタイムセグメンテーションは、企業のターゲット ユーザーの行動、好み、およびその他独自の基準に基づいて、個別のグループを作成します。

高度なデータ分析とAI等で強化された機械学習ツールの活用で、ブランドは大量の顧客データを高速に処理、分析し、顧客のニーズをより深く理解できるようになりました。最適なパフォーマンスを維持するには新しいデータが投入されるたびに顧客セグメントを変化させる必要があります。これにより、企業は顧客に今、一番欲しい情報を個別に、適切なタイミングで、そして即座に配信できます。また、音楽にたとえると、その人が、いつ、どの曲を聞きたいかを正確に理解し、心地よいタイミングに、楽曲をかけるイケてるDJ?が登場する感じです(笑)。

技術ソリューションの評価

カスタマーエンゲージメント プラットフォームの投資価値を高めるには、最新データの活用を前提に構築されている必要があります。私たちはこれをインタラクティブなフィードバック ループと考えています。Braze が考える「リアルタイム」とは、次のようなものです。

  1. 上記の図の一番上にある、インテグレーション、API、および SDK からのデータを取り込みます。

  2. データがプラットフォームに取り込まれると、システム全体のデータが即座に更新されます。常に最新の情報が格納されているので、データを見直したり、加工したりする必要はありません。

  3. 鮮度の高いデータは最高の顧客体験に直結します。ちなみに、データを取り込み、システムに反映され、Braze プラットフォーム内で活用できるようになるまで、平均でわずか 1 秒です。

  4. 私たちは「データ=行動」と考えています。ユーザーがサイトやアプリにアクセスしてきたと同時にBrazeにはデータが送られます。Brazeはこの受信した各データに関係するセグメントを更新し、それに応じて、メッセージを配信、あるいはキャンセルされます。このデータは、コミュニケーションをパーソナライズするためにも活用できます。カスタマーエンゲージメント戦略で、数年前、または 3 秒以内に収集されたデータが必要な場合でも、マーケターは、エンジニアリング、データサイエンティスト、または IT チームの助けなしに、複雑なユース ケースに対応できます。

  5. Braze は、パフォーマンスを犠牲にすることなく、データを大規模に処理する機能も備わっています。2022 年にはブラックフライデーからサイバーマンデーまでの間、システム稼働率100%で、310 億件以上のメッセージをサポートしました。

  6. また、顧客情報を扱うマーケティングシステムはセキュリティ対策にも堅牢でなければなりません。ファースト パーティ データに関しては、特にコンプライアンスに真摯に向き合い、収集、および共有するデータを安全に処理ような仕組みの整備に注力しています。Braze では、SOC 2、GDPR、HIPAA、および CCPA に準拠しています。また、ISO 21001 の認証も取得しています。

リアルタイムセグメンテーションの5つのメリット

パーソナライズされたリアルタイムコミュニケーションは競合他社との大きな差別化のポイントとなります。データがどうなっているか、どこにあるか、どれだけの量か、にかかわらず、データをすぐに活用するための手段があるということが重要です。リアルタイムセグメンテーションは、企業のキャンペーンの応答性を高め、顧客をより深く、より個人的なレベルでの理解を促進させます。差別化のため、リアルタイムセグメンテーションを採用する理由は次のとおりです。

1. リアルタイムセグメンテーションは顧客維持率(LTV)を向上させる。
優れた投資対効果を狙うなら、新規顧客を獲得よりも、既存顧客へのエンゲージメントに注目すべきです。リアルタイムセグメンテーションの力を活用すれば、データを取得しやすい既存顧客が好むようなパーソナライズされたマーケティング体験を提供しやすいと考えられ、ブランドとの永続的な関係を築く可能性も高いと考えられます。また、標準的な企業で、65%が既存顧客によりビジネスが牽引されているため、セグメントに関わるデータをできるだけ新鮮なものに保つことは非常に合理的です。

2. リアルタイムセグメンテーションは正しい顧客理解を促進します。
リアルタイムセグメンテーションを行うことで、顧客に関する正しい理解が促進されます。過去の購入履歴などをより詳細に分析、活用しやすい状態でデータ保持ができれば、顧客が関心にかなり近いアイテムを推奨できるなど、ブランドと顧客との対話にも好影響を与えられます。彼らのニーズと好みを理解すればするほど、彼らのブランドに対する信頼感を高めるのが容易になるでしょう。

3. リアルタイムセグメンテーションは、コスト削減に繋がり、投資対効果を最大化します。
一度にすべての人に訴求し、売上を最大化することもできますが、専門家によると、投資対効果を狙うなら、特定の人口統計に焦点を当てると成功確率が高まると述べています。細かくセグメンテーションする、たとえば解約する可能性が最も高い時や、再購入のタイミングに近づいている時など、最も有利な状況に特定のグループに焦点を当てることが重要です。これまで消費者データの分析とそれに基づく施策の展開までに、時間とコストを浪費していましたが、Brazeのようなカスタマーエンゲージメントプラットフォームを活用することで、マーケティングに関わるデータとプロセスを統合、顧客とのコミュニケーションを自動化できるため、企業は運用コストと実行までの時間の削減が可能です。


重要ポイント

  1. データの鮮度に注目してください。最新のデータは、正しい顧客理解を促進し、ビジネス上の意思決定を高度化、顧客が切望するパーソナライズされた体験の提供に直結します。
  2. 顧客の行動、購入履歴、人口統計、言語など、これらのデータの正しい把握が効果的なメッセージ配信の礎となります。まず、全体像を俯瞰し、詳細を捉えることをしましょう。自分が活用の見込みもない、必要以上の多くの情報を集めすぎているかもしれません。
  3. 既存のバッチ処理から抜け出し、データが発生する毎に随時データを連携する仕組み(ストリーム処理)は必要不可欠です。すべてのデータが完全に正確か?を確認するにはオーディエンスを更新しましょう。また、データを継続的に更新する機能を備えたアーキテクチャのソリューションを採用してください。クロスチャネルで一貫性のあるキャンペーンを実施しようとすると鮮度の高いデータを鮮度の高いうちに処理、取得することは必須条件です。

ビジネスのパフォーマンス、運用効率、および顧客満足度を向上させるには、リアルタイムセグメンテーションは良い打ち手だと考えられます。プライバシーやセキュリティーを担保しつつ、パフォーマンスも犠牲にしないデータ活用のベスト プラクティス、ヒント、戦略については、データ統合に関するガイドをご覧ください。


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