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PMF(プロダクトマーケットフィット)を達成させるには-定義やPSFとの関係性を解説

Team Braze 作成者: Team Braze 2023/09/14

PMF(プロダクトマーケットフィット)はビジネスにおける一つの理想を表す用語であり、その理解は自社プロダクトの成功の可能性を高めてくれます。

この記事では、PMFの定義や重要性、PSFとの違い、具体的な達成手順と活用しやすい指標をご紹介します。

1. PMF(プロダクトマーケットフィット)の定義や重要性

    PMF(プロダクトマーケットフィット)は、自社製品、顧客ニーズ、マーケットの3要素に着目した考え方です。まずはその定義と重要性を見ていきましょう。

    1.1. PMFの定義

      PMF(Product Market Fit:プロダクトマーケットフィット)とは、「顧客の要望を満たした製品・サービスを適切な市場に提供できている状態」のことです。特にスタートアップフェーズの成功に重要な思想で、アメリカの有名投資家であるマーク・アンドリーセン氏がその有用性を広めました。

      PMFは、プロダクトの成功に欠かせない以下の2つの大原則を再確認するための考え方です。


      • どれほど優れた製品でも、適切な市場に提供しなければ意味がない

      • どれほど優れた市場でも、適切な製品を提供しなければ意味がない


      アンドリーセン氏の言う適切な市場とは、潜在的な顧客(将来的な購買可能性が高い顧客)が多いマーケットのことです。PMFを達成した製品・サービスは、「PMFを満たしているだろうか?」と迷うこともないほど飛ぶように売れる特徴を持ちます。


      1.2. PMFの重要性

        PMFの重要性は、市場の細分化や顧客ニーズの多様化により、プロダクトの方向性やマーケット選択の難易度・重みが増している点にあります。

        多くの人が同じ方向を向いていた時代であれば、質の良い製品を作り上げるだけで多数の需要が見込めました。しかし現在は、追い切れないほどに新商品・サービスが登場し、一人ひとりが個別のニーズを持ちやすい環境です。PMFを念頭に置き、需要のある製品を適切な市場に出さなければ、競合他社に埋もれてしまいます。

        2. PSF(プロブレムソリューションフィット)との関係性

        PMFの類似用語として挙げられるのが「PSF(Problem Solution Fit:プロブレムソリューションフィット)」です。PSFとは、顧客の課題(Probelem)を自社製品が解決(Solution)している状態、すなわち「顧客ニーズに適した製品を提供できている状態」を指します。

        PMFとPSFの違いは、考慮する要素の数です。PMFが自社製品・顧客ニーズ・マーケットの3要素を考慮するのに対して、PSFは自社製品と顧客ニーズに注目します。すなわち、PSFはPMFの前段階に当たり、PSF→PMFと順番に達成を目指す形が一般的です。



        3. PSF達成までの流れ

        では、PMFに向けてPSFを達成するための流れを見ていきましょう。

        3.1. 顧客の課題を調査する

          最初に解決すべき課題、すなわち顧客ニーズを調査します。SNSを通じてアンケートを取ったり、ときには既存顧客に直接インタビューをしたりと、自社の新しいビジネスのアイデアとなり得る課題を集めましょう。

          3.2. 製品・サービスのプロトタイプを作成する

            続いては、収集した課題を解決できる製品・サービス案を検討し、プロトタイプを作成します。

            プロトタイプの作成では、課題を解決できる必要最低限の機能のみを搭載することが大切です。複数の機能を盛り込むと課題と解決の因果関係がわかりにくくなるうえ、試作品の作成に過度な時間やコストがかかります。

            3.3. プロトタイプの評価と検証を行う

              プロトタイプの作成後は、課題を抱えている顧客に試用してもらい、評価を行います。課題解決の成否はもちろん、そこに至るまでの操作感の良し悪し、いくらまで料金を支払っても良いと思ったか、といった複数の要因まで質問しましょう。

              その結果を受けて、「PMFに進む」「再びプロトタイプの作成に挑戦する」「現時点ではこの課題の解決は諦める」と3つの選択肢を総合的に判断します。


              4. PMFを達成させるための手順

                続いて、PSFからPMFへと進化させるための手順を見ていきましょう。

                4.1. MVPの開発・構築

                  最初の作業として、PSFの成果を元にMVP(Minimum Viable Product:ミニマムバイアブルプロダクト)を開発・構築します。

                  MVPとは、顧客の課題を解決できる範囲で最小限の状態の製品のことです。イメージとしては、前述のプロトタイプより少しだけ開発を進めた状態を指します。

                  必要な機能に絞ったMVPを試験的に顧客へ提供することで、プロダクトの方向性が正しいのかを最小限のコストで確認できます。

                  4.2. 市場の分析

                    MVPの開発と並行して、市場の分析、すなわちセグメント化とターゲティングを進めましょう。地理的変数やデモグラフィック変数(年齢、性別、家族構成、職業)などを用いて市場を細分化し、自社が狙うべきターゲットを決定します。

                    ターゲティングでは「6R」と呼ばれるフレームワークが有効です。6Rでは、以下の6つの要素から市場の魅力と価値を明らかにできます。

                    • 有効な市場規模(Realistic Scale):純粋な市場の大きさ

                    • 成長性(Rate of Growth):市場の将来性

                    • 競合状況(Rival):競合他社の状況、競争の激しさ

                    • 顧客の優先順位(Rank):インフルエンサー、著名人を優先するなど

                    • 到達可能性(Reach):製品を顧客が手に取るまでの障害の有無(物理的な距離など)

                    • 反応の測定可能性(Response):上記5要素やマーケティング施策の効果に関する測定のしやすさ

                    4.3. MVPの評価と検証

                      MVPが完成した後は、実際に市場へ提供しつつ反響を評価しましょう。

                      例えば、顧客満足度やNPS®などの指標が想定に達していなければ、製品の質が低い(顧客の問題を解決できていない=PSFが十分でない)可能性が考えられます。そもそもの購買数やサービスの申込数が不足しているのなら、市場選定が間違っているのかもしれません。

                      なお、PMFの検証に役立つ具体的な指標は後述します。

                      4.4. 結果を元に改善を繰り返す

                        MVPの評価と検証を行った後は、その結果を元に改善されたMBAを構築します。その後、再び市場への提供と評価を進め…、というサイクルを繰り返して改善していく形です。

                        PMFのサイクルでは、前回までの結果と今回の数値を見比べながら、正しい方向に進んでいるのか確認することが大切です。例えば、改善したつもりなのに数値が悪化しているのであれば、勇気を持って前バージョンのMBAに戻す選択肢も考えられます。


                        5. PMF達成を図る指標

                        PMFを満たした製品は、その達成を疑う余地がないほどに購買されるのが特徴です。しかし、肌感覚のみでビジネスを進行させることには危うさもあります。

                        そこでここでは、PMFの達成をデータとして図れる指標を見ていきましょう。

                        5.1. Product/Market Fit Survey

                          Product/Market Fit Survey(PMFsurvey)は「もしその製品を使えなくなったらどう思いますか?」と尋ね、以下の4つの選択肢から回答してもらうシンプルなアンケート調査です。


                          • 非常に残念(Very disappointed)

                          • 少し残念(Somewhat disappointed)

                          • 残念ではない(Not disappointed)

                          • 非該当、もう利用していない(N/A No longer use)


                          起業家として有名なショーン・エリス氏が考案したもので、エリス氏の名前から「Sean Ellis test」とも呼ばれることもあります。全回答のうち「非常に残念」の割合が40%を超えていればPMFを達成していると判断できます。

                          5.2. エンゲージメント

                            エンゲージメントとは、PMFにおいては「顧客が製品・サービスをどのくらい利用しているのか」のデータを意味します。物理的な製品であれば購買数、物理的な形のないサービスでは成約数や申込数が代表例です。市場選択(ターゲッティング)の成否を判断する要素として活躍します。

                            5.3. NPS®

                              NPS®(ネットプロモータースコア)は、「この製品を友人や知人にどの程度勧めたいと思いますか?」と質問し、0~10の11段階で回答させる指標です。数値が大きいほど勧めたいと感じていることを意味しており、特に9または10と回答した人は推奨者と呼ばれ、「周囲に良い口コミを与えてくれる層」とみなされます。

                              本来NPS®は顧客ロイヤルティを図るための指標ですが、PMFにおいてはMVPの質の確認に役立ちます。

                              5.4. リテンションカーブ

                                リテンションカーブとは、サービスのリテンション率(顧客の定着率、継続率)を時系列に沿ってグラフ化した指標です。単純な数値の高低よりも曲がり方が重要なグラフで、このリテンションカーブが平行に近い(定着率が安定している)と、PMFを達成している可能性があると考えられます。

                                6. PMFの達成を目指すにはツールの活用がおすすめ

                                最後に、PMFの達成に向けた具体的な手段として、「Braze」をご紹介します。

                                PMFを達成するためには、顧客を細かくセグメント化したうえで詳細なターゲティングを行う必要があります。BrazeはAIも活用した高度なセグメント化機能を有しており、複雑なデータ分析を力強くサポートします。機能の詳細やデモ版のお問い合わせは、以下のリンクよりお進みください。

                                Brazeの詳細やデモ版のお問い合わせはこちら

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                                7. まとめ

                                  PMFとは、顧客ニーズを満たした自社製品を適切な市場に提供できている状態のことです。その達成の前段階としては、自社製品が顧客ニーズを満たした状態であるPSFと呼ばれる用語もあります。

                                  この記事を参考にPMFやPSFについてぜひ理解を深めつつ、ぜひBrazeのようなツールを活用したPMFの達成を実現しましょう。


                                  Team Braze

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