CASE STUDY


コスモ石油がBrazeを活用し、マーケティングDXを推進。優れた操作性は社員のマインドセット変革にも大きな役割を果たす
36% 洗車プリペイド購入数向上

課題


アプリをタッチポイントとしたサービスステーション(以下SS)のDXを推進する中、大きな課題として浮上したのは、お客様の給油履歴やアプリの利用状況、車検証情報など各種データを基にし、お客様一人ひとりに最適な情報の提供が十分にできていないことでした。

戦略


一人ひとりに寄り添うコミュニケーションを実現するとともに、担当者が運用しやすいソリューションも同時に求められる中、直感的な操作でABテストが可能であり、カスタマージャーニーが構築できるマーケティングクラウドがBrazeでした。様々な各社製品を比較検討、独自開発した来店車両識別システムとの連携など、拡張性の高さもポイントでした。

成果


様々な仮説から作られたセグメントに対し、ペルソナに合わせたメッセージ配信により開封率が向上。パーソラナイズやABテストが現場担当者レベルで簡単に行うことができるようになり、施策の改善・効果測定が十分に行えるようになりました。施策の目標や成果を具体的な数字ベースで議論し、社員のマインドセットの変革にも大きな役割を果たしています。

コスモエネルギーグループの事業と目指している方向性について教えてください。

 私たちは創設以来、原油の調達から石油製品の製造・物流・販売までを一貫して手掛けていますが、その一方で、化石燃料は地球環境に大きな環境負担をかける結果となっています。サステナビリティーやESGが大きな社会課題となる中、私たちは第7次連結中期経営計画において、「Oil & New ~Next Stage~」というスローガンのもと、社会の原動力となるエネルギーをこれからも安定供給するための新たな取り組みを加速させています。

 グリーン電力サプライチェーン強化もその取り組みの一つです。再エネ発電の課題の一つとして、必要なときに必要な電力が供給できないという需給ミスマッチがあります。私たちは以前から風力発電を軸に再生可能エネルギー事業に注力してきましたが、今後は発電だけでなく、電力調整や蓄電、販売まで含めたサプライチェーンを構築することでその解決を図っていきます。このような新たな取り組みを通じて、企業グループとして社会の脱炭素化に貢献していきます。


DXのトップランナーとしてのコスモエネルギーグループのその取り組みを教えてください。

 エネルギーの安定供給という観点では、サービスステーション(SS)網の維持も重要な課題の一つです。災害時においては、燃料油等の供給の使命も負っています。一方でSSは今、人手不足という大きな課題に直面しています。

 SSは給油だけでなく、車検整備やカーリースなど、カーライフに関連する多様なサービスを提供しています。しかし、その売上はスタッフの量や質によって大きな差があり、SS網維持という観点では、全体的な営業力の底上げがきわめて重要な課題となっています。私たちはこの問題をデジタルの力で解決したいと考えています。その具体例が、2019年にローンチしたアプリ「カーライフスクエア」をタッチポイントにしたSSのデジタル化です。

 私たちはよくDXのDは「泥臭い」のDと表現しています。社内に分散する多様なデータを突き合わせ、利活用できる状態にまで持っていくには、煩雑な手続きや作業が必要になる、まさに「泥臭い」領域です。DXは社員全員が“自分ごと”としてデータに向き合う環境整備が不可欠です。いわゆるデジタル化と違い、トップの旗振りだけでなく、全社員のマインドセット変革が求められる事がDXの一番の難しさだと思います。

コスモエネルギーホールディングス常務執行役員CDO ルゾンカ 典子 氏

Braze導入前の課題を教えてください。

 従前の顧客管理の仕組みでは、アプリのユーザーデータ、店舗のPOSデータ、自動車整備に関する情報など、当社の保有するデータを十分に活用できていませんでした。そのため何百万人というユーザーに同じメッセージを全件配信しなければならず、全員に全てのメッセージを届けたいという思いから、メッセージは長文化し、結果として、顧客体験の品質に問題が発生し、開封率の低下などにつながっていました。

 また何百万人に対する全件配信は担当者にも大きなストレスとなり、結果として新しい取り組みに挑戦しにくい状況が続いていました。


課題解決のためのツールとして、Brazeを選択した理由を教えてください。

 私たちはデータ統合と顧客管理(CRM)の改善という二つの課題を、同時に解決したいという思いで、ツール選定の取り組みを開始しました。Brazeを選択した理由は大きく二つあります。一つは使いやすさ、特にABテストやシナリオ設定が現場の担当者レベルで直感的に行える点を高く評価しました。もう一つが拡張性の高さ、特に社内のシステムとスムーズに連携できる点を高く評価しています。

コスモ石油マーケティング取締役常務執行役員 岡田 正 氏

Braze導入時期と運用体制を教えてください。

Braze導入を決断したのは2022年です。導入に際しては、まず、関東地方の直営30店舗にて効果検証を行い、2023年6月からはすべての直営店舗で運用を開始、現在は直営店舗以外のSSへの展開を進めています。


Braze導入の効果を教えてください。

 700万DLを実現したアプリのユーザーに、カスタマージャーニーに基づくパーソナライズされたメッセージの提供ができるようになったことが第一の成果です。その効果は、KPIの観点でも明確で、例えば洗車プリペイドカードのチャージがしきい値以下になったタイミングで、案内メッセージを配信するという施策でKPIを36%向上することができました。

 ABテストで効果を検証し、設定したシナリオに沿った形で自動配信を行うことで、配信担当者のストレス緩和と生産性向上を実現できました。ABテストなど、データ利活用の取り組みを推進することができたことで、担当者のモチベーションアップにもつながっています。

 私たちが目指してきた、デジタル技術を活用したリアル店舗の支援についてもその成果が現れつつあります。その一つが、当社が独自開発したシステムと、Brazeの連携による車検カーケアサービスのセールス支援です。

 車検整備の営業活動では顧客の車検サイクルを把握し、的確なタイミングで「そろそろ車検ですね」とアプローチすることが非常に重要ですが、すべてのSSスタッフが顧客の車検サイクルを把握することは不可能です。Brazeと連携した新たな仕組みでは来店されたお客様の情報をデータベースで参照し、リアルタイムでSSスタッフに必要な情報を提供しています。同時にBrazeを通じてアプリでユーザーにも車検が近いことをお知らせできますので「そろそろ車検だな」と認識いただき、SSにお越しいただくということができます。


マーケティング領域のDXにおけるBrazeの意義を教えてください。

 直感的に利用できるUIは、私たちが目指している“自分ごと”としてデータに向き合うという意識を作り出していると思います。すでにカスタマージャーニーについては、データ分析やデジタルマーケティング施策を考えるチームとSSの第一線で営業活動しているチームがアイデアを出し合い、仮説検証を繰り返すという関係構築ができていますが、その背景にはBrazeのUIの分かりやすさがあります。

コスモ石油マーケティング マーケティングサイエンス部長 吉岡 秀晃 氏

今後の展開を教えてください。

 私たちは、コスモブランドのSS、すべてでデジタル化を推進したいと考えています。直営SSは一部に限られるため、その実現にはサービスステーションを運営する会社を巻き込んだ、BtoBtoCの枠組みでその仕組みを捉えていく必要があります。Brazeのわかりやすい操作性はそのような敷居の高さを感じさせずに、大きな役割を果たすはずです。

我々は、モビリティでは安全・便利をご提供し、未来を変え、社会を支えるエネルギーを提供する企業として、新たな価値を創造していきます。さまざまなデータとつながりながらお客様に自然に気づいていただくマーケティングを展開していきたいです。「COSMOでよかった」と思っていただける世界が広がれば、唯一無二の存在になれるし、サステナブルにも貢献できるのではないかと考えています。

デジタルマーケティングの領域では、リアルタイムにお客様の心理を捉え、カスタマージャーニーの中で、確実に施策を展開できることが重要と考えます。その点でBrazeを選んだ意義は大きいと考えています。


吉岡 秀晃 氏
コスモ石油マーケティング株式会社 マーケティングサイエンス部長

コスモ石油の成果

ABテスト後のメッセージをセグメント配信することによる担当者のストレス解消とモチベーションアップ。直感的な操作性による、DXを自分ごととして捉える環境の醸成。

36% 洗車プリペイド購入数向上