モバイルマーケティング


RCSの次なるステップ:Appleの大きな動きが顧客エンゲージメントに与える影響

Team Braze 作成者: Team Braze 2024/03/13

ほとんどのマーケターはSMSを活用してカスタマーエンゲージメントをサポートする方法を理解していますが、最近マーケティング業界でよく話題に上がる別のチャネルがあります。それがRCSです。

RCSは、Appleが2023年11月に2024年からこのプロトコルのサポートを開始する計画を発表したことを受けて、多くの注目を集めています。Appleは、この決定がAppleとAndroidユーザー間の個人間メッセージング体験を向上させるためであると述べていますが、カスタマーエンゲージメントやマーケティングテクノロジーの分野では、この変更がA2Pメッセージング( 主にWebアプリケーションなどからモバイルユーザーに送信されるSMSサービスの一形態)にどのような影響を与えるのか、多くの人が疑問を抱いています。

そしてその答えは…まだわかりません。ビジネスメッセージングについて詳しく見ていく前に、まずはRCSの基本や歴史、そしてこのチャネルに関連する多くの略語について説明します。

RCSとは?

RCSはRich Communications Services(リッチコミュニケーションサービス)の略です。これはIPベースのメッセージングプロトコルで、テキスト、音声、高解像度の画像や動画、ファイル転送など、拡張された「リッチ」な機能を提供します。RCSは、メッセージのリアクション、既読通知、入力中の通知、グループチャット、位置情報の共有、ブラウザ、マップ、その他のアプリでメッセージを開く機能もサポートしています。

この機能がAppleのiMessageやWhatsAppのような他の人気メッセージングアプリと似ているように感じるのは、意図的なものです。RCSがどのように誕生したかを理解するには、プロトコルの歴史を振り返ることが役立ちます。

RCSはなぜ作られたのか?

RCSはもともと2000年代後半に携帯電話ネットワークによって開発され、SMS/MMSに代わる豊かなメッセージング体験を提供するためのものでした。いわばSMS 2.0です。iMessageやWhatsAppなどのメッセージングアプリが人気を博すにつれ、携帯電話業界はこれらのアプリに匹敵する機能を持つメッセージングサービスを開発することで、消費者の高まる期待に応える必要がありました。しかし、キャリアはRCSの普及に苦戦しました。各キャリアは互換性のない独自のバージョンを実装し、結果として相互運用性の低い分断された市場を生み出しました。

2016年、モバイルキャリアの利益を代表する業界団体であるGSMAは、RCSユニバーサルプロファイル(しばしばGSMAプロトコルと呼ばれる)と呼ばれるRCSの標準化バージョンを発表しました。これにより、キャリア間で統一されたオファリングが確立され、プロトコルの成長が改善し始めました。そして近年、GoogleはAndroidユーザーにiMessageや他のメッセージングアプリに似たメッセージング体験を提供するためにRCSを推進してきました。2019年、GoogleはAndroidユーザー向けにRCSのリリースを開始し、2023年には、10億人以上の月間アクティブユーザーがGoogleメッセージでRCSを使用していると発表しました。今日、RCSはすべてのAndroid端末のデフォルトのP2Pメッセージングサービスとなっています。

GoogleによるRCSの推進は印象的ですが、業界が望んでいたSMSのような普及と普遍性はまだ得られていません。北米のモバイルOS市場で45.6%、世界で29.2%のシェアを持つAppleがこれまでサポートを提供してこなかったことが、RCSの普及を妨げてきたのです。

ここで、Appleの最近の発表です。

では、Appleの発表はP2Pメッセージングにとって何を意味するのか?

Appleは2024年からRCSをサポートすると発表しました。これはついに青と緑の吹き出しをめぐるバトル (iPhone標準のメッセージアプリ、iMessageにおいて、iPhone間では青の吹き出し、相手がiPhoneではない場合は緑の吹き出しで表示される) に終止符を打つことを意味するのでしょうか?必ずしもそうではありません。しかし、AppleとAndroidユーザー間のメッセージング体験が大幅に向上することを意味します。

現在、AndroidユーザーがAppleユーザーにメッセージを送ると、緑色の吹き出しで表示されます。2024年に予定されているアップデートでは、Androidユーザーからのメッセージは、SMS/MMSの代わりにRCS経由で配信されるようになり、既読通知、入力中表示、画像品質の向上などの機能を含む、AppleとAndroidユーザー双方にとってより良いメッセージング体験を提供します。

しかし、RCSがiMessageを置き換えるわけではありません。Appleは発表の中で、iMessageを廃止するつもりはなく、それが「Appleユーザーにとって最高かつ最も安全なメッセージング体験を提供し続けるだろう」と信じていることを明らかにしました。RCS経由で配信されるメッセージは、おそらくこれまで通りiMessageアプリ内で緑の吹き出しで表示される可能性が高く、Appleユーザー間のメッセージは引き続きiMessage経由で配信されます。

ビジネスメッセージングにとっては何を意味するのか?

Appleの発表により、RCSプロトコルがiOSとAndroidデバイス間のP2Pインタラクションにおいて、より多く使用されるようになることは明らかですが、RCSを介したアプリケーションから人へのメッセージング(A2Pメッセージング)の未来はまだはっきりしていません。

RBM(RCSビジネスメッセージング)は、現在AndroidデバイスでサポートされているRCSのA2Pバージョンです。RBMを使用することで、企業は企業はSMSよりも高機能なメッセージをAndroidユーザーに送れます。例えば、高品質の画像やインタラクティブなボタンなどです。RBMマーケティングは、SMSマーケティングほど普及していません。その大きな理由は、Appleがそれをサポートしていないためで、マーケターはユーザーベースのAndroidサブセットにしかリーチできません。

Appleのサポートのみが問題な訳ではありません。RCSプロトコルをサポートするデバイス間で直接配信できるP2P RCSとは異なり、ブランドが消費者にRBMを配信するには、キャリアによるRCSのサポートが必要です。また、ヨーロッパ、ラテンアメリカ、インドの一部では多くのキャリアネットワークがRCSを導入していますが、アメリカのキャリアはプロトコルの採用が遅れています。

AppleがRBMをサポートするかはまだ分かりませんが、もしサポートすることになれば、キャリアもそれに続くことが予想されます。業界の全プレイヤーがRBMをサポートし、プロトコルが広範囲にわたって普及すれば、より豊かなメッセージング体験で顧客とのエンゲージメントを図りたいブランドにとって、RBMはより魅力的な選択肢になり得ます。

最後に

Appleの発表により、AppleとAndroidユーザー間のP2Pメッセージングが大幅に改善されることは確かですが、このアップデートがビジネスメッセージングに与える影響はまだ分かりません。現時点では、ブランドにとって価値の高い顧客と関わるための最良の選択肢はSMSとWhatsApp、日本ではLINEであり、モバイルファーストの消費者の日常生活に根ざしたチャネルやプラットフォームでつながるための金字塔として残り続けます。


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