CASE STUDY


Ameba、Braze を活用したパーソナライズ施策で、DAUの成長、メッセージ開封率増加を達成
124% メッセージ開封率の増加

課題


ブログサービス、マンガ、コマース事業、アフィリエイトサービスなどサービス多角化に伴い、ユーザーの関心や興味も多様化していましたが、荒い粒度のセグメントへpush通知を配信しており、一人ひとりに合わせたメッセージ配信ができていませんでした。

戦略


旧ツールからBrazeに移管し、ユーザーセグメントごとにシナリオを設計して勝ちパターンをたくさん作り、成功事例をシステム化し、運用工数を0にするという組織体制を構築。またAmebaブログに既に存在するレコメンドの仕組みを活用し、パーソナライズのメッセージや記事データをユーザーに合わせて配信する仕組みを構築し、ユーザーエクスペリエンスを向上させました。

成果


DAU(日別アクティブユーザー)が102%成長し、かつ運用工数がゼロに。またLiquidを使って、ユーザーの名前などのデータを配信メッセージに差し込むことで、親近感のあるメッセージを作成。開封率が124%増加。 AmebaブログのレコメンドAPIとBrazeを連携させて、ユーザーの趣味嗜好に合ったブログ記事をプッシュ通知で配信。開封率が113%増加しました。

今回は、株式会社サイバーエージェントのBraze導入事例をご紹介します。

サイバーエージェントは「21世紀を代表する会社を創る」というビジョンを掲げ、進化の早いインターネット産業の中、「人材力」「技術力」「創出力」を強みに、「変化対応力」を培い創業来事業拡大を続けてきたIT企業です。サイバーエージェントが運営するAmebaは、国内最大級のメディアでブログサービス「Amebaブログ」や、最新の芸能ニュースやゲームを無料で楽しむことができます。

Amebaというとブログサービスとしての印象が強いですが、近年ではマンガ、Ameba内のインフルエンサーとのコラボをしたコマース事業やアフィリエイトサービスなど、多角化が進んでいます。これにより、Ameba内のユーザー自身、関心や興味も多様化したため、パーソナライズ戦略の重要性が高まり、Braze導入に至りました。

5ヶ月で成果創出

Braze導入により、パーソナライズされたプッシュ通知のメッセージ配信で、DAU(日別アクティブユーザー)が102%成長し、かつ運用工数がゼロになりました。Brazeの導入自体はわずか2カ月で完了し、その後3カ月間のPDCAサイクルを経て、5ヶ月という驚異のスピードで成果を達成しました。

一気通貫できるチームの構築

1つ目のステップでは、若手のチームを最少工数で構成し、2ヶ月で旧プッシュ通知からBrazeへ移管。

2つ目のステップでは、Brazeの機能である「Canvas」を使い、ユーザーセグメントごとにシナリオを設計して毎日PDCAを回し、勝ちパターンをたくさん作り、成功事例を次々に作成。

3つ目のステップでは、どうやったら勝ちパターンを仕組み化できるか考え、Brazeにある「Connected Content」や「Liquid」という機能を活用し、運用工数を0に削減という成果を出していきました。

ここでのポイントは、Braze導入チームと運用チームを一体化し、導入完了をKPIにせず、導入後の施策実行に意欲を持つことです。分離されたチーム間での情報受け渡しによるコミュニケーションコストの削減ができたことで、成果を最大化できました。

クイックに検証、成功パターンが見えれば即実装

最小工数でのパーソナライズ実現と、パーソナライズ自動化の実装は、

  1. まずはPMである彦坂氏ひとりで、BigQueryのマシンラーニングを活用してクイックに検証を行い、成果を出すことができた勝ちパターンを特定
  2. 勝ちパターンをシステム化し、自動化するためにAmebaブログに既に存在するレコメンドの仕組みを活用

という流れで行われました。これにより、パーソナライズのメッセージや記事データをユーザーに合わせて配信する仕組みが構築され、運用工数がゼロになると同時に、ユーザーエクスペリエンスが向上しました。

重要なのは、仕組みのシステム化をする前に、まずはクイックに検証し、成功パターンが見えたらエンジニアの工数をかけて実装していくことです。


パーソナライズ施策のBraze活用事例

サイバーエージェントは、Brazeを活用し、API経由でレコメンドAPI情報をメッセージ本文に差し込み、パーソナライズされたPush通知の配信を完全自動化しました。また、従来のAmebaアプリになかったパーソナライズされたユーザーへのお知らせを、Content Cardを活用することで可能に。さらには、In App Messageを活用することで周辺事業への送客を効果的に実施しました。

Liquidを使ったパーソナライズ施策の成果:

Liquidという機能を使って、ユーザーの名前などのデータを配信メッセージに差し込むことで、親近感の湧くメッセージを作成、開封率が124%増加しました。

閲覧データからのお勧め記事推薦の成果:

AmebaブログのレコメンドAPIとBrazeを連携させて、ユーザー1人ひとりの興味関心に合わせたブログ記事をプッシュ通知で配信することで、開封率が113%増加しました。

ブログ記事の最新更新通知の成果:

Liquidを活用し、ユーザーのIDと最新記事のデータを連携させ、ユーザーごとに最新の未読記事を配信。また、フォローしているブログで未読がある場合に、未読件数とブロガー名をプッシュ通知でお知らせする仕組みも実装することで、開封率が160%増加しました。

重要なのは、ユーザーにとって価値のある体験をデザインし、それをプッシュ通知に反映させることです。より、ブロガーのファンになる仕掛けや、好きなブログの記事を見逃さない体験を構築することで、ユーザーの満足度を高めます。また、パーソナライズ施策を実施する際は、クイックに検証し、成功パターンが見えた場合にはシステム化していくことが効果的です。会員だけでなく、非会員のユーザーにもパーソナライズを実現することで、より幅広いユーザー層に訴求できる可能性があります。

Brazeを活用すれば、パーソナライズされた多くの施策を実行できます。今後は、コンテンツカードを使って、Ameba周辺事業に送客するための自社広告枠へ有効活用していきたいです。


彦坂真一 氏
株式会社サイバーエージェントAmebaLIFE事業本部プロダクトマネージャー
102% DAU成長率
124% メッセージ開封率

サイバーエージェントの成果:

Brazeを活用したパーソナライズされたプッシュ通知のメッセージ配信で、DAU(日別アクティブユーザー)が102%成長し、かつ運用工数がゼロに。また、Liquidという機能を使って、ユーザーの名前などのデータを配信メッセージに差し込むことで、親近感のあるメッセージを作成し、開封率が124%増加。さらには、AmebaブログのレコメンドAPIとBrazeを連携させて、ユーザーの趣味嗜好に合ったブログ記事をプッシュ通知で配信し、開封率を113%増加させました。