CASE STUDY


アンテポスト、顧客属性に合わせたきめ細やかなコミュニケーション戦略で課金転換率33%を実現
33% 課金転換率

課題


顧客とのメールによるエンゲージメントに限界を感じていました。また、接触数と売上伸長のためにメール送信の数、頻度、対象範囲も増え続け顧客体験、顧客の属性と合わないコミュニケーション、ファン化とLTV最大化に大きな課題がありました。

戦略


旺盛な需要に応え続け、CRM戦略の再構築とカスタマーエンゲージメント基盤整備で3年でビジネス規模を2倍を目指しました。

成果


カムバックキャンペーンを実施、休眠ユーザーを7.4%復活。メール、アプリのメッセージ出し分け等で、課金転換率が33%となり、併せてマーケターの生産性向上と業務負荷を軽減を実現しました。

アンテポストはどのような会社で、どのような事業展開をしていますか?

アンテポストは2010年設立で、元々はパチンコなどの遊技業のコンサルティングビジネスを生業としていました。世代が進み、規制強化の動きもあり、市場は縮小傾向する中で、事業変革やデジタルトランスフォーメーション(DX)の必要性に迫られました。当時、ゲームセンターでしかできなかったクレーンゲームをDX化し、新規事業として展開したところ、昨今、屋外に出れない状況も数年続き、巣篭もり需要も活性化する中、新規事業は大きく成長することとなりました。

社名のアンテポストとは元々、欧州の競馬でアンティポストベット(長期前売り)という買い方があります。成長する馬か?伸びしろがあるのか?見えなくてもその馬の将来性に賭けるという買い方です。私たちは「これ」と決めた事業に中長期でコミットする、という想いも込めて、この社名を掲げています。

貴社のCRM戦略についてお聞かせいただけますか?

元々、私(佐々木氏)が広告代理店やゲーム業界で働いていた経験もあり、また、事業者サイドでこのビジネスに挑戦したいという想いもあり、アンテポストに転職しました。カスタマーエンゲージメントで面白い施策を展開するゲーム会社があり、裏側のシステムの仕掛けに興味を持ち、ソースコードを眺めていたところ、Brazeという名前のタグを見つけ、その時の印象で初めて会社名を知りました。

アンテポスト株式会社 取締役 COO 佐々木 智史 氏

ゲーム業界、特に買い切りではなく、課金ゲームのビジネスは広告を主体とした新規顧客の獲得を行いながら、課金ユーザ化していくという流れなので、ファーストパーティーデータを活用したカスタマーエンゲージメントがとても重要です。顧客の心理状態や嗜好に基づきながら、その瞬間を捉えたコミュニケーションと継続的な施策展開で、全体のLTVを最大化する必要があります。

急激にビジネス規模が拡大したため、CRM戦略を落ち着いて考える余裕も当時はなく、アプリを使ってくれる顧客にプッシュ通知やメールで単純にお知らせするという施策くらいしか、当時はできていませんでした。

マーケティング課題と取り組み、組織体制などについてお教えください。

Brazeを導入前は売上を最大化するため、とにかく多くの人にエンゲージメントしようと思っていました。ですので、メール送信の数も、頻度も、送信対象も、広がりつづけ、増え続け、お客様の興味とは全く関係のないメールが届くこともあり、残念な体験を強いてしまっていたのかもしれません。実際にメールを送るほど、売り上げが上がる一方で、離脱するユーザーも増えていきました。しかも、その状況をこちらも正確に把握できないまま、結局、LTVも下がり、ブランド価値も下がってしまう、という悪循環となっていました。

アンテポスト株式会社 サービス開発事業 開発部 部長 一井 正志 氏

マーケティング専任の組織はまだ現状ありません。ただ、Brazeの設定やアプリ改修を行う人、コミュニケーションの素材やデザインを考える人、ビジネスの状況を見ながら施策を考える人など、組織横断的にマーケティング業務を行っています。組織化ができていない分、サイロ化もなく、柔軟に対応できている、いわばバーチャルにグロースチームが存在しているように思います。

Brazeの選定理由についてお教えください。

私たちは3年間でこのビジネスを倍の規模に育て上げたいと思っています。テレビCMや広告などを通じて、認知と新規顧客の獲得をしたいという想いはあります。ただ、ファネルの下層の部分、つまりファーストパーティデータを活用したカスタマーエンゲージメントをまず、整備する、土台を固めてから、という判断をしています。それはBrazeのようなIT基盤の整備もありますが、なんとなく分散しているグロース人材をマーケティングチームとして組織化する事も含んでいます。

他社ツールを見ると全体的には同じような機能を持っているように見えていても、実はデータベースが分離されていたり、一貫した体験の提供に課題があったり、少し違和感を感じるものもありました。

アンテポスト株式会社 サービス開発事業 オペレーション営業部 熊澤 奈々 氏

Brazeはシンプルに表現すると、MAというよりはCRMにメッセージ配信も搭載されている、そんなイメージです。ウェブとアプリで同じ体験を一つのプラットフォームで展開できれば、一貫した体験をお届けできますし、少ないリソースでも施策実行を行うことができる。まさに弊社が求めているカスタマーエンゲージメントを実現できるサービスだと思い、Brazeの導入を決めました。

Braze を入れて変わったこと、導入成果について定性・定量面でお教えください。

例えば、課金履歴があるものの、最終ログイン日から60日経過している非アクティブユーザーに「カムバックキャンペーン」を実施し、7.4%を復活させることができました。また、無料ユーザーに対する「クーポンコードの提供」をお客様の行動履歴に応じて、メールとアプリでメッセージの出し分けをするなど、丁寧なコミュニケーションに切り替えた結果、課金転換率は33%を記録しました。

それから最近、Braze Audience Syncという機能を使い始めました。これはBrazeで設定した優良顧客層と似たターゲットセグメントに対し、広告配信を行うものです。既存顧客だけでなく、新規顧客獲得の広告戦略もBrazeでカバーできるため、ファネル全体の高度化ができると期待しています。

また、業界の慣習でもあるのですが、新しい製品がゲーム上に展開されるのが深夜12時になります。誰よりも早く新しいグッズをゲットしたいお客様に対応するための準備に社員を待機させるなどの必要がありました。Brazeは時間設定で狙いたい層にあらかじめコミュニケーション時間の設定もできますので、その辺りの業務負荷や生産性向上も図れたと思っています。

データドリブンでお客様に寄り添うマーケティングを展開し、もっともっと私たちのブランドのファンを増やしていきたいと思います。Brazeは私たちのマーケティングを前進させる、変えてくれるツールだと思っています。


佐々木 智史 氏
アンテポスト株式会社 取締役 COO

今後の展望、実現したいこと、Brazeへの期待などお教えください

私たちはこのビジネスを大きく成長させるため、必要な投資を継続させたいと思っています。お客様のファーストパーティデータを取得し、属性情報などを収集し、心地よいデジタルコミュニケーションを実現しながら、マスマーケティングも組み合わせ、ファネル全体を大きくしていくことを進めていきたいと思います。それができればBrazeへの投資対効果を最大化できますし、お客様をさらにファン化することができると信じています。

また、テクノロジーの進化に事業者側が手組みシステムで対応することはもはや不可能です。Braze Sage AIで提供されるコピーライティング機能をテストし始めたり、生成AIとパーソナライゼーションの文脈も相性が良いと思っています。また、お客様の今やお客様の成熟度を把握しながら、施策を考えるなどのレポーティングやダッシュボード化などもチャレンジしたいと思っています。

データドリブンでお客様に寄り添うマーケティングを展開し、もっともっと私たちのブランドのファンを増やしていきたいと思います。Brazeは私たちのマーケティングを前進させる、変えてくれるツールだと思っています。

33% 属性に合ったコミュニケーションでの課金転換率
7.4% 休眠ユーザー復活率