Wallapopが、Brazeを活用しクロスチャネルメッセージングでユーザーエンゲージメントを向上させた方法

中古品のオンライン交換マーケットプレイスのWallapopは、小売市場にコロナ禍の逆風が吹く中、クロスチャネルキャンペーンを実施しました。新しいカスタマージャーニーを開発し、テストし、最適化することで、1か月あたりのユーザー数が31%増加しました。

31%

月間ユーザー数の増加

227%

キャンペーン参加者からの出品増加

今回は、アメリカでのBraze導入事例をご紹介いたします。


中古品市場は成長中で、2024年までに640億ドルに達すると予測されています。ThredUpが実施した再販レポートによると、小売市場全体がコロナ禍の影響で2021年までに15%縮小すると予想される一方、オンライン中古品市場は2021年までに69%成長すると予想されています。今年の春先に世界的に発生したパンデミックで人々の行動が変容する中、Wallapopのような対面での交換を仲介していたアプリでは顧客エンゲージメントを保つ方法をすばやく見つける必要がありました。

バルセロナを拠点とするWallapopは、中古品売買のためのスペインで最も人気の高いマーケットプレイスアプリです。2013年の公開以来、Wallapopはスペインで1500万のユーザーを獲得してきました。

規制の変化に対応

Wallapopでは、パンデミックにより商品の受け渡しに関する問題が増大するなかで、ユーザーエンゲージメント維持のための知恵を絞らなければなりませんでした。新型コロナ感染症の主な予防策の一つとして、人との接触を制限しなければならないからです。そのため、対人での売買行為は高リスクであることからWallapopユーザーの消費者行動が抑制されました。

郵便局でもサービスの中断や勤務時間の変更をするところがあり、ユーザーが販売する商品の郵送が難しくなっていました。アプリの使用激減を未然に防ぐため、WallapopではWallachallengeを立ち上げました。

エンゲージメントの向上にゲーミフィケーションを利用

ユーザーエンゲージメントを強化する要素のゲーム化を活用したWallachallengeは、Wallapopユーザーに毎週1件のチャレンジを5週間にわたって用意しました。ユーザーは、どのようなアクション(賞品の出品、アイテムをお気に入りに追加、チャットのメッセージ開封)を取れば達成後に賞が確実に受け取れるかを詳しく説明したランディングページに誘導されました。ランディングページでは、前週までのチャレンジで賞を獲得したユーザーも紹介されました。

Wallapopは、チャレンジに関するコミュニケーションにBrazeを活用したのです。カスタマージャーニーの編成機能Brazeキャンバスを使用して、毎週2種類のコミュニケーションが送信されました。プッシュ通知1件とアプリ内メッセージ1件です。プッシュ通知第1ラウンドの最初のコミュニケーションでターゲットとしたのは、アクティブなユーザー、新規ユーザーまたは過去15日間にアプリを開けていないユーザーでした。ユーザーは、チャレンジ参加を促すアプリ内のフォローアップメッセージを受け取りましたが、WallapopではBrazeを使用して、プッシュ通知の受信者のうち、最初のメッセージ受信後に参加しなかったユーザーのみをターゲットとしました。

Brazeキャンバスでクロスチャネルのコミュニケーションを最適化

春の終わりごろにヨーロッパでのパンデミックが落ち着き始めるにつれ、Wallapopの出品の増加が顕著になりました。より多くのユーザーが商品を出品し、プロセス全体にわたって出品を快適に行えるよう、Wallapopは更にクロスチャネルキャンペーンを行い、商品の写真撮影や商品説明の記述を上手に行う方法、アイテムの正確な価格設定方法などについて情報を発信しました。

Wallachallengeのマーケティングキャンペーンを最適化するため、Wallapopはキャンバス内でのコミュニケーションのテストを行いました。Wallapopのチームはバリアントやコントロールグループを使用し、特色を持つ各ユーザーグループを比較して、コンバージョン率の最も高いグループを調べました。このテストは、マーケティングおよびビジネスインテリジェンス(BI)両チームが協力して行われ、進化するユーザー行動とコンバージョン傾向が評価されました。

春期の取引が増加

その後、3月から6月までに、Wallapopのアクティブなアプリユーザーは、31%増加しました。5月には発送リクエスト数が急増しました。春の間、業界にまん延していた障害も収まり、配送サービスがより広範に利用できるようになったためです。

Wallachallengeおよび関連のキャンペーンはユーザーのエンゲージメントに大きなインパクトを与え、15万人を超えるWallapopユーザーの参加と一層のアプリ活用を促しました。Brazeを使用したWallachallengeのコミュニケーションでターゲットとなったユーザーでは、コントロールグループと比較して、他のユーザーとのチャットが235%、アプリへの出品が227%増加しました。この期間中、Wallachallengeはチャットメッセージ全体の15%と出品全体の11%に影響を与え、困難な時期に重要なサポートを提供したのです。

まとめ

Wallachallengeにより、Wallapopは、新型コロナの小売市場への影響にも負けない姿勢を貫くことができました。キャンバスを活用してクロスチャネルのプッシュ通知とアプリ内メッセージングのキャンペーンを構築、テスト、最適化しました。また、ユーザーに5週間にわたるチャレンジについて知らせることにより、Wallapopはエンゲージメントを強化し、パンデミックのさなかにもカスタマーエンゲージメントを維持することができました。Wallapopでは、カスタマーエンゲージメント戦略の成功を積み重ねていくことを目標に、Wallachallenge後のキャンペーンでも引き続きテストを行っています。

31%

月間ユーザー数の増加

227%

キャンペーン参加者からの出品増加

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