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顧客ロイヤルティの重要性とは?向上させるメリットや顧客満足度との違いについて解説

Team Braze 作成者: Team Braze 2022/07/27

顧客ロイヤルティとは、顧客がブランドや商品・サービスに対して抱く「信頼」や「愛着」のことを意味しています。

この記事では、顧客ロイヤルティの重要性や顧客ロイヤルティ向上によるメリットについて解説します。

顧客ロイヤルティとは

ロイヤルティは日本語に訳すと「忠誠心(Loyalty)」を意味します。忠誠というと主従関係を前提にしたイメージがあると思いますが、ここでいう「ロイヤルティ」の意味としては、「信頼」や「愛着」といったほうがニュアンスとしては近いとされています。


顧客ロイヤルティはなぜ重要?

どんなに商品やサービスそのものに満足していても、サポート体制や購入プロセスに不満を感じてしまうと、顧客は継続的に商品を購入してくれません。そこで、一回の購買体験や使用経験だけではなく長期的に信頼や愛着を持っているかを判断する「顧客ロイヤルティ」の概念が生まれました。

ロイヤルティが高い顧客を獲得できると、企業はその顧客に継続的もしくは定期的に商品を利用してもらうことが期待でき、安定的な収益を見込むことができます。さらに、ロイヤルティが高い優良顧客は周囲の友人や知人に商品を勧めることが多々あり、その商品の宣伝役となってくれることがあります。特にSNSが発達した近年では、企業の集客に積極的に貢献してくれる「ロイヤルカスタマー」の存在が需要視されています。


顧客満足度との違い

顧客ロイヤルティと混同されやすい「顧客満足度」は特定のサービスや商品に対しての満足度を示す指標であり、企業やブランド全体の指標ではありません。そのため、顧客満足度が高い商品があったとしても顧客ロイヤルティがそれに比例して上がるわけではありません。

顧客ロイヤルティ向上のメリット

顧客ロイヤルティを向上させるとさまざまなメリットを得ることができます。ここでは具体的な4つのメリットについて解説します。

リピート顧客の増加

ロイヤルティが高い顧客を育成できると、商品の継続的な購入につなげることができます。たとえば、顧客が日常的に使うものが壊れた場合、ロイヤルティが高い顧客であれば購入候補として自社商品を第一に想起してくれます。また、ECサイトの利用回数の向上やクロスセル、アップセルも期待できます。

解約率の低下

顧客ロイヤルティが向上すれば、サービスの継続利用が期待できると同時に解約率の低下につなげることができます。サブスクリプションなどの月額サービスの場合は特にブランドロイヤルティが重要な指標となります。

ブランドの認知拡大

ロイヤルティが高い顧客は自社の宣伝役として活躍してくれるため、ブランドの認知拡大につながります。かつては家族や友人への推奨が一般的でしたが、SNSの普及により一般顧客のリアルな口コミやレビューはより重視される傾向にあり、時に広告以上の効果をもたらします。

購入単価の向上

ロイヤルティを上げることは購入単価の向上にもつながる可能性があります。たとえば、口紅を購入した顧客がブランド体験に満足し顧客ロイヤルティが高まったとします。すると同じブランドのファンデーションを購入するクロスセルにつながります。そうして個人の購入単価が上がることで収益の増加を見込むことができます。

顧客ロイヤルティを向上させるためのポイント

では、顧客ロイヤルティを向上させるにはどういったことに取り組めば良いのでしょうか。具体的なポイントをご紹介します。

自社にあった指標を決める

顧客ロイヤルティを向上させるためには顧客の声を正確に把握することが必要です。そのために、まずは自社に適した指標を設定します。ロイヤルティを設定する指標には、NPS®、LTV、継続利用意向、満足度などがあります。

1. NPS®

NPS®は「Net Promoter Score(ネットプロモータースコア)」の略で、ロイヤルティを図る代表的な指標で、商品を他者にどの程度推奨したいかを示す指標です。自身が満足していない商品を他者に薦める顧客はいないでしょう。そのため、満足度とNPS®には相関関係が見られるのが一般的です。

2. LTV

LTVとは「Life Time Value(ライフタイムバリュー)」の略で、ある顧客とブランドや企業の間における取引・利用開始から終了するまでにもたらす価値のことです。利用期間や頻度、購入金額などを把握することでロイヤルティの向上を図ることが可能となります。

3. 継続利用意向

継続利用意向は、「今後も利用し続けたいか」を確認するロイヤルティの指標です。商品そのものよりも感情面においてロイヤルティを与えられているかが重要であり、ブランディングの成否が重要なカギとなります。

4. 満足度

顧客満足度は商品や顧客接点でのサービスに対する満足度であり、ロイヤルティの指標において重要な指標です。継続性とは関連しないという見方もありますが、満足度の積み上げがロイヤルティにもなるため重要な指標です。

その他、再利用意向や感動指標に加えブランド独自の指標を採用する場合もあります。自社に適した指標を設定しましょう。

顧客接点の洗い出し

顧客ロイヤルティを上げるためには、顧客接点の洗い出しと各接点で取得が必要なデータの整理を行う必要があります。特にオンラインとオフライン(店頭)で展開している場合は双方のデータ連携も重要なポイントです。

ツールを用いたデータの比較・解析を継続して行う

顧客ロイヤルティを高める活動は一度きりの施策で終了するものではありません。データを活用しつつPDCAを回しながら継続し、マーケティング活動の精度を上げていくことが重要です。マーケティングツールを活用すると、データの比較や解析がより容易になります。

顧客ロイヤルティを向上させるための流れ

顧客ロイヤルティの向上を実現させるため、その手順もしっかり押さえておきましょう。

データ収集・指標の数値化

まずはデータを収集したうえで指標を数値化することです。会員登録やカード発行・アプリログインなどで顧客データの収集を行い、利用日、利用頻度、金額、購入した商品やサービスを把握します。

現状の把握・目標設定

次に現状を把握し、ロイヤルティの目標を設定します。現状把握は実際に顧客に調査を行うことが有効ですが、結果だけでなくその理由を把握することが重要です。ロイヤルティの評価は定量的な指標で測定しますが、理由はコメントで書いてもらうことも重要です。具体的に、どのようなブランド体験や出来事があったかを把握します。

施策の構築・実施

顧客ロイヤルティを高めるためにコンシューマージャーニーを描き、施策を構築、実施します。現状把握で見えた心理ロイヤルティの課題を解決すると、顧客ロイヤルティは効果的に高まります。心理ロイヤルティ向上のための顧客体験の設計から着手しましょう。

課題や改善点の洗い出し

プロモーションや施策を実施したら、課題や改善点を分析し洗い出しを行います。顧客ロイヤルティの向上には、商品やサービスの質だけではなく、Webサイトやメール・SNS・店頭などすべての顧客接点が大切な要素となります。各顧客接点において理想的な顧客体験を実現するために改善を繰り返します。



顧客ロイヤルティ向上の成功事例

顧客ロイヤルティを向上したアメリカでの事例をご紹介します。

IBMではかねてより顧客の行動データを豊富に蓄積していましたが、システムが細分化し過ぎていたことから、顧客のLTVを上げるライフサイクルメッセージやキャンペーン立案が複雑化していました。

そこで、Brazeを活用して顧客ロイヤルティに必要なデータを誰でも活用できるようにし、顧客理解を深めつつ効果的な施策やメッセージングの実施を図りました。結果、ライフサイクルに沿ったメール配信を行ったグループと行わなかったグループではコンバージョンに5倍もの差が生じることが実証されました。この結果を踏まえコンバージョンの向上により、年間経常収益(ARR)を80万ドルも増やすことに成功しました。

US事例:Brazeを活用したライフサイクルメッセージ配信で、 コンバージョンを最大5倍にアップ

まとめ

今日のマーケティングにおいては、顧客エンゲージメントを取り入れ、ロイヤルティを高めることが非常に重要です。またそのためには、データに基づいた正しい顧客理解と顧客接点でのブランド体験の創出が欠かせません。

ブランドの顧客体験の水準が高まる中、どのように対応し顧客ロイヤルティを高めるかについては、こちらのレポートでもご紹介しています。2022年のトレンドと今日のビジネス課題の解消に役立つ独自のデータインサイトをぜひご確認ください。

2022 グローバルカスタマーエンゲージメントレビュー



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