入門コンテンツ


ASO対策はなにをすればいい?メリットや対策を進めるためのポイント・注意点を紹介

Team Braze 作成者: Team Braze 2024/04/06

1.ASO対策とは

ASO対策とは、アプリストア内での自社アプリの自然流入数とダウンロード数の増加を目指す取り組みです。ストア内の検索順位を上昇させるだけでなく、その先のダウンロード数の増加までを目標とする点に特徴があります。まずは、ASOの意味と関連用語(SEO・CRO)との関係を確認しましょう。

1.1. ASOの意味

ASOは「App Store Optimization」の略で、日本語では「アプリストア最適化」を意味します。ここでいうアプリストアとは、2大マーケットであるAndroidのGoogle PlayとiOSのApp Storeを主に指します。

ASOとして実践される代表的な取り組みには以下のようなものがあります。

  • 自社アプリやターゲットに適したキーワード(サジェスト含む)の選定

  • キーワードを意識したタイトルと紹介文の作成

  • アプリストア別の特徴や慣習の理解

  • 訴求力の高いアイコンやスクリーンショットの準備

  • アプリレビューへの対策

広汎な対策によってアプリストア内での上位表示とユーザー視点による魅力的な詳細ページの提供を実現し、自社アプリの自然流入数とダウンロード数を増加させる施策。その全般を指してASOと呼びます。


1.2. SEO・CROとの関係

ASOと関わりの深い用語に「SEO(Search Engine Optimization:検索エンジン最適化)」と「CRO(Conversion Rate Optimization:コンバージョン率最適化)」があります。

SEOは、Googleなどの検索エンジンにおいて自社サイトを上位表示させ訪問者を増やすためにサイトの最適化を進めることです。一方、CROは訪問者のコンバージョン率の上昇(例:お問い合わせや資料請求に至る方の増加)を目的に、同じくサイトの最適化を進めることを意味します。

自然流入数(自社アプリの詳細ページの訪問者)とインストール数(コンバージョン)の増加を目指すASOは、アプリストア向けにSEOとCROの考え方を組み合わせたような存在です。

3つの関係は以下の通りにまとめられます。

【ASO・SEO・CROの関係】

用語

概要

ASO:アプリストア最適化

(App Store Optimization)

アプリストア内にて自社アプリの自然流入数とダウンロード数を増加させる取り組み。

アプリ版の「SEO」と「CRO」を組み合わせたような存在

SEO:検索エンジン最適化

(Search Engine Optimization)

サイトの最適化を行うことで、検索エンジンにて自社サイトを上位表示させ訪問者数を増加させるための取り組み

CRO:コンバージョン率最適化

(Conversion Rate Optimization)

自社サイト内にて訪問者のコンバージョン率を上昇させるための取り組み

2. ASO対策はなぜ必要?

近年ASO対策が必要とされる背景には、モバイルアプリの浸透とアプリストアの重要性の高まりがあります。

デジタルソリューション企業のフラー株式会社が公表した「アプリ市場白書2022」によれば、日本人一人あたりの月間平均利用アプリ数は約41個。モバイルアプリは生活の必需品となりつつあり、多くの人はその入手をアプリストア内の検索機能に頼っています。

例えば、iPhone ユーザーがビジネス用のメモアプリを探す際には、まずはApp Storeで「メモ ビジネス」などと検索する形が一般的です。

このような検索ユーザーは解決したいニーズや欲求を明確に持つため、自社アプリの質次第で熱心なリピーターになってくれます。ASO対策は、最小限の広告コストで自社アプリに適したターゲットにアプローチする手段として優れています。

出典:日本人のスマホアプリ利用時間は1日あたり4.8時間と過去最多に

3. ASO対策はなぜ必要?

3.1. アプリダウンロード数の増加に繋がる

ASO対策とは、アプリストア内における自社アプリの自然流入数とダウンロード数を増加させるための取り組みです。自社アプリを公開したものの使用してくれるユーザー数が想定を下回っている場合は、ダウンロード数の増加に直結するASO対策が課題解決の近道となります。

3.2. アクティブ利用のユーザー獲得に繋がる

ASO対策でアプリストア内の検索機能から獲得できるユーザーは、課題やニーズの解決に向けて能動的に検索しているアクティブな利用者です。「たまたまバナー広告を見た」というような受動的なユーザーと比べて熱量が高く、大きなLTV(顧客生涯価値)を持つ自社のファンに成長する可能性を秘めています。

3.3. 他社と差別化が図れる

ASO対策による自社のファンの獲得は、他社との差別化にも役立ちます。顧客ロイヤルティの高いユーザーの増加により、「○○(自社名やブランド名)のものだから」と自社のアプリであることを理由に利用してくれるユーザーが増えれば、他社との熾烈な価格競争・マーケティング戦争から脱却できます。

3.4. 顧客満足度の向上が図れる

ASO対策を進める中では、CROの観点から、自社アプリのダウンロード数を向上できる魅力的な詳細ページを準備します。準備の過程では、ユーザー視点を考慮した自社アプリの魅力と課題の把握が必要不可欠です。結果として利用者目線での改善が進み、顧客満足度の向上にも繋がります。

4. ASO対策を進めるためのポイントや注意点

続いて、自社アプリのASO対策を進めるためのポイントと注意点をご紹介します。

4.1. アプリストアの特徴を把握しておく

前提として、ひと口に「アプリストア」といってもApp StoreとGoogle Playでは検索アルゴリズムに違いがあり、上位表示に必要な対策も変わってきます。両者の具体的な検索アルゴリズムは公表されていませんが、ガイドラインをよく確認し、それに沿って設定していくと良いでしょう。ガイドラインは随時変更されるため、定期的に確認するようにしましょう。

4.1.1. App Store

App Storeは、検索結果の順位の判定には以下のような特徴があるといわれています。

  • サブタイトルやメタデータの内容が重視される

  • 分類カテゴリやアイコンも重視される

  • アプリのアップデートを行うと一時的に上位表示されやすい

4.1.2. Google Play

一方、Google Playには以下のような特徴があるといわれています。

  • 多言語対応をしているアプリが上位表示されやすい

  • 被リンクの充実度やDL数も重要となる

  • レビュー内のキーワードの有無もチェックされる

4.2. キーワードを選定する

ASO対策においてSEOの観点から重要となるのが、上位表示を狙うキーワードの選定です。どのような用語で検索された時に自社アプリを上位表示させたいのか、検索ボリュームの大きさや達成の難易度(競合の強さ)も考慮しつつ、キーワードを絞り込む必要があります。

4.3. サジェストキーワードを対策する

サジェストキーワードとは、対象のキーワードと一緒によく検索されるキーワードを指します。

例えば、App Storeのアプリ検索で「英単語」と入力すると、「英単語」以外に「英単語 無料」「英単語 アプリ」「英単語 中学生」など、英単語との掛け合わせキーワードが表示されます。アプリタイトルの設定や訴求・紹介テキストの作成に必要となるため、ツールを活用してサジェストキーワードを収集しておきましょう。

4.4. アプリタイトルの設定

アプリタイトルはASO対策の成否を左右するといっても過言ではない大切な要素です。どんなに優れたアプリでも、タイトルの質が悪ければ、詳細ページを開いてもらえません。タイトルにはキーワードやサジェストキーワードの一部を含み、なおかつアプリの内容が簡潔に把握できるものが求められます。

4.5. 一目見てわかりやすい・目に留まりやすいアイコンを設定する

タイトルと並んで自社アプリの顔となるのがアイコンです。ASO対策の成功には、シンプルで独創性があり、アプリの雰囲気もすぐに伝わるような優れたアイコンが欠かせません。

魅力的なアイコンを低コストで作成する手段としては、生成AIを用いた画像ジェネレーターの活用があります。Brazeでも、最大300文字までの指示文を入力するだけでイメージに近い画像を生成できるAI機能を提供しています。

>>Brazeの AI イメージジェネレーターについてはこちら


4.6. 検索キーワードを意識した訴求・紹介テキストを作成する

アプリの説明文となる訴求・紹介テキストには、検索結果として上位表示されやすくすることと、詳細ページまで辿り着いたユーザーを逃さずダウンロードしてもらうことの2つの役割があります。キーワードやサジェストキーワードを含みつつ、「インストールしたい」と思わせるだけの訴求力のある文章が必要です。


4.7. スクリーンショット・プレビュー動画を活用する

説明文と共に、アプリの長所が伝わりやすいスクリーンショットやプレビュー動画も提供しましょう。特に、詳細ページを開いた際の初期画面内に表示される画像や動画が魅力的であれば、ユーザーの離脱を防ぎやすくなります。

魅力的なスクリーンショットやプレビュー動画を準備するコツは、キーワードやサジェストキーワードを参考に、訪問ユーザーの課題とニーズを想像することです。「このアプリであれば課題が解決できる」と伝われば、ダウンロードに結びつきやすくなります。


4.8. アプリレビューへの対策を行う

自社アプリを利用したユーザーからのレビューも、ストア内の検索順位やダウンロード数に影響します。有名なASO対策としては、ユーザーが満足感を得やすいタイミングでアプリレビューを求める画面を表示する手があります(例:英単語アプリであれば単語を100個学習できたときなど)。

また、悪いレビューが付いた際にはそのまま放置すべきではありません。レビューに対して誠実に返答することで、詳細ページを訪れたユーザーに自社とアプリの信頼性をアピールできます。

4.9. 適切なカテゴリを設定する

前述の通り、App Storeではカテゴリの適切な設定が自社アプリの検索順位にも影響するといわれています。また、Google Playも含めて、カテゴリはユーザーがイメージに近いアプリを見つけるための手がかりとなります。各ストアが提供するカテゴリの中から、自社アプリの内容に最適なものを選択しましょう。

4.10. A/Bテストを実施する

Google Playは、アプリ詳細ページのコンテンツを複数用意してユーザーの反応が良いパターンを確認できるA/Bテストに対応しています。自社アプリがAndroidで動作する場合はGoogle PlayのA/Bテストを積極的に活用し、ASO対策のスピードを早めましょう。

Apple Storeの場合は、「App Store Connect」でプロダクトページの最適化を行うためのA/Bテストが可能です。

5. まとめ

ASO対策とは、アプリストア内での自社アプリの上位表示&ダウンロード数の増加を目指す施策です。せっかく公開したアプリをより多くの人に利用してもらうためにも欠かせない対策となります。

モバイルアプリが人々の生活に浸透し、ビジネス面での価値も高まり続ける中、今後ますますASO対策の必要性は増していくと予想されます。ぜひここでご紹介したポイントや注意点を押さえ、アプリ導入の効果を最大限に高めましょう。



Team Braze

Team Braze

関連コンテンツ

ディープラーニングの意味や仕組みとは?活用されている場面や注意点についても解説

もっと読む

ロイヤルティ

ロイヤルティプログラムを成功させるには-種類やメリット・注意点についても徹底解説

もっと読む

モバイルマーケティング

アプリのオンボーディングとは?重要性やデザイン例、実施ポイントを紹介

もっと読む

ARPUとはどんな指標?計算方法やARPPU、ARPAとの違いについても解説

もっと読む