クロスチャネル


顧客接点の多様化に対応したクロスチャネルについて-メリットやオムニチャネルとの違いも解説

Team Braze 作成者: Team Braze 2022/07/15

スマートフォンやSNSの普及により、顧客との接点となるチャネルが増えています。そうしたツールを駆使し顧客との接触を保ち続けることができなければ、購買の選択肢に入ることはなく、淘汰されていってしまう時代となりました。また、購買体験が重視されるようになった近年では、購入窓口だけが重要なチャネルであるとはいえなくなってきています。

この記事では、クロスチャネルで顧客体験の向上を実現するために、クロスチャネルの意義や導入メリット、導入時の注意点などについて解説します。

クロスチャネルとは?なぜ必要なのか

チャネルとは、顧客の心理や行動を変化させる接点=タッチポイントのことを指します。最近はスマートフォンの普及によりチャネルが増えただけでなく複雑化しています。そのため、タッチポイントの多様化に対応したクロスチャネルでのコミュニケーション戦略が、マーケティング活動においてさらに重要性を増してきています。

シングルチャネル

シングルチャネルとは、タッチポイントが一つしかない状態です。販売業でいえば、唯一の接点は販売店舗となります。

マルチチャネル

「マルチ」は複数を意味します。つまり、マルチチャネルとはチャネルが複数あることです。チャネル=顧客接点を増やせば、商品やサービスの認知向上や販売機会の増加が見込めます。

例えば、実店舗に加えてSNSの発信をすれば、チラシなどでは取り込むことができない遠方の顧客にも認知を広げることにつながります。さらにネットショップの販売チャネルを増やすことで、実店舗に来られない顧客とも接点をもつことができます。

ただし、マルチチャネルはそれぞれが独立しており連携しているわけではありません。そのため、ネットショップには在庫があっても実店舗には在庫がないなど、販売機会を損失してしまう可能性があります。

クロスチャネル

クロスチャネルの「クロス」は「交差」を意味します。つまりクロスチャネルは、複数のチャネルが各チャネル間であらゆるデータを連携していることをいいます。

連携されるデータは顧客情報や在庫情報などすべてを一元管理され、リアルタイムで更新されます。ECチャネルも含めた在庫数の確認ができるため、機会損失を抑えることができます。また、過去の購入履歴が蓄積されているため、趣味嗜好や購入した商品に近いものがおすすめされるなど、顧客にとってもより良いブランド体験が可能となります。

オムニチャネルとの違い

オムニチャネルの「オムニ」には「すべての」という意味があります。オムニチャネルはクロスチャネルをより進化させたチャネル連携の考え方で、顧客に対して全チャネルでシームレスなブランド体験を提供できる状態です。

オムニチャネル化できた店舗では、実店舗とECで共通のポイント制度があったり、店頭で購入した商品がECチャネルでも購入履歴に反映されたりします。また、購買行動に基づいたメールやメッセージを配信することもあります。

クロスチャネルを使ったマーケティングの重要性

最近では、PCやスマホ、タブレットなど複数の端末を利用し、インターネットやSNSを通じてさまざまな情報が得られるようになりました。この状況下では、シングルチャネルでの展開では存在にすら気づいてもらえませんし、マルチチャネルで情報が分断された状態では販売機会を損失する可能性があります。シームレスな購入体験を提供することも難しいため、ブランドロイヤルティや顧客満足度を向上させることも難しくなります。

一方、クロスチャネルを実現すれば、ECサイトで購入したものを店頭で受け取ることができたり、双方でのクーポンやポイントアップなどの施策を展開したりといった取り組みが可能です。一貫したクロスチャネルでのマーケティングは、新規購入だけでなく、売上を盤石化しブランドロイヤルティを上げるためにも機能しているのです。

クロスチャネルのメリット

では、クロスチャネルのメリットをより具体的に見ていきましょう。

顧客ごとにアプローチを変更できる

クロスチャネルを実現すると、顧客それぞれに寄り添ったアプローチが可能となります。

例えば、新規顧客を獲得したい時とリピート購入を獲得したいときとでアプローチは異なります。また、新規顧客を獲得する目的は同じでも、「商品を知ってもらう段階の人」と「商品はすでに知っているが購入すべきか悩んでいる人」に対するアプローチは違ってきます。そうした違いを把握したうえで顧客の状況や属性に合わせたアプローチをすることが可能となります。

在庫データなどを一元管理ができる

マルチチャネルでは店舗間の在庫データが共有されていないため、ある店舗で品切れを起こしている場合、他の店舗には在庫があるのにそれを売ることができないという状況が起きます。しかしクロスチャネルでは、在庫データを一元管理ができるようになるため、売り損じを最小限に抑えることが可能となります。

複数のチャネルでマーケティングが可能になる

複数のチャネルで一貫したマーケティングが可能になることは、クロスチャネルを実現することの最大のメリットといえます。店舗におけるポイント付与など、かつての施策がチャネル横断で実施できます。

例えば、店舗で購入した顧客にはECサイトでのクーポンを渡すことで購入頻度を向上することにつなげるなどの手法があります。

クロスチャネルを導入する際の注意点

クロスチャネルを導入する際の注意点としては、以下の3つが挙げられます。

情報の整理や共有環境の整備

クロスチャネルを導入するためには、マーケティングオートメーションによるメッセージングのだし分けが可能になります。そのためには各部門で個別に管理していた商品マスターや在庫データ、顧客情報、購買データなど、あらゆる情報を全て一元管理する必要があります。まずは各部門が持ち備えている情報を整理し、共有できる環境を整えましょう。

組織全体での意識改善や教育

今までの独立したマルチチャネルの考え方から共通のマーケティングゴールを達成する考え方へ、組織全体での意識改善が必要になります。場合によっては、プロダクトアウトの観点から顧客中心のマーケティングを展開する重要性を社内に浸透させる必要もあります。またその際は、全部署がマーケティング活動に関わっているということを理解するための教育の場も必要になります。

管理コストやツールの導入

クロスチャネルを実現するためにはマーケティングツールの導入が必要となります。かつて利用していた物流ツールや顧客管理ツール、ECサイトのツールなど、さまざまなシステムをつなげたり統廃合したりする必要も出てきます。ツールを導入する費用はもちろん、管理コストなども必要になることを念頭に置いておきましょう。

Brazeのプラットフォームには、クロスチャネルとパーソナライゼーションを同時に活用するための機能が備わっています。メールやプッシュ通知などのチャネル、モバイルやWebなどのプラットフォームを介し、それぞれに最適なキャンペーンを構築する機能を提供しています。

Brazeのクロスチャネルとパーソナライゼーションを活用しマーケティングの効率化へ

クロスチャネルの事例紹介

クロスチャネルの成功事例として出会い系アプリ「Hinge」をご紹介します。

Hingeはすべてのメールやプッシュ通知、アプリ内メッセージを最適化することで、ユーザー間の真のつながりを促進しています。過去には、アプリ内でのユーザーの好みや活動に基づいて、最も結びつきやすい相手と24時間ごとにペアを組むという「相性ぴったり」キャンペーンを展開し、マッチング相手とデートに出かける確率を8倍も高めることに成功しました。

そこに一役買ったのがクロスチャネルマーケティングを実現するBrazeです。ユーザーごとに最適化したメッセージングを構築することで、より効果的なユーザーとのマッチングを促進しました。

US事例:Hingeがクロスチャネルメッセージングで出会い系アプリのエンゲージメントを200%向上させた方法

まとめ

この記事では、顧客体験の向上を実現させるクロスチャネルの意味や導入意義を解説しました。

クロスチャネルでのマーケティングを実現させるためにはマーケティングツールの導入が必須です。Hingeで導入されたBrazeは、Forrester のレポート(「The Forrester Wave™: The Forrester Wave™: Cross-Channel Campaign Management (Independent Platform), Q3 2021」)でクロスチャネルでの優位性を評価されています。クロスチャネルにおいて最も重要な機能の一つでもある「キャンペーンデザイン」の基準でも、Brazeは最高得点を獲得しています。

より詳細な機能や評価ポイントはこちらのレポートをダウンロードしてご参照ください。

BrazeがThe Forrester Wave(TM):クロスチャネルキャンペーン管理(独立したプラットフォーム)、2021年第3四半期においてリーダーの評価


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