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カスタマージャーニーとは?作成するメリットやマップの作り方・注意点を紹介

Team Braze 作成者: Team Braze 2024/05/21

商品に対する顧客接点が飛躍的に増え購買行動が複雑化するいま、購入に至るまでのプロセスを旅に例え可視化した「カスタマージャーニー」の重要性も高まっています。企業やブランドがカスタマージャーニーを把握できていなければ、理想のブランド体験を提供することは難しいでしょう。

この記事では、カスタマージャーニーの概要やメリット、作成の流れやコツ、作成の注意点や活用事例を解説します。

1. カスタマージャーニーとは

カスタマージャーニーとは、直訳で「顧客の旅」を意味する言葉です。顧客が製品・サービスを認知してから購入するまでのプロセスを旅に例えて可視化するマーケティングの概念として知られています。厳密には、旅に例える考え方を「カスタマージャーニー」、それを可視化(図表化)したものを「カスタマージャーニーマップ」と呼びます。

>>【関連用語】カスタマージャーニーについてはこちら

2. カスタマージャーニーは必要?

カスタマージャーニーは、マーケターとしての飛躍を目指すなら必ず理解しておきたい概念です。しかし、最近ではその考え方が「古い」とされるケースもあります。

ここでは、カスタマージャーニーの目的と重要性、「古い」といわれる理由を確認しましょう。

2.1 目的や重要性

カスタマージャーニーの目的は、多様化する顧客行動をその心理状態と共に把握すること、そして、顧客の状況と気持ちに寄り添ったマーケティング施策を届け、購買に結びつけることにあります。

カスタマージャーニーマップを作成すると、顧客が何を考え、どこで気持ちの変化を起こし、どのような行動を経て購入に至るのかを把握できます。各タッチポイントで顧客の態度変容を促すコミュニケーションを仕掛けるなど、パーソナライズされたマーケティング施策を実行できるようになります。

ターゲットの現状を考慮しない画一的なマーケティング施策では十分な成果を上げられないのは周知の事実です。カスタマージャーニーは、マーケティングの成功に欠かせない顧客理解の第一歩として重視されています。

2.2 古いといわれる理由

カスタマージャーニーが古いといわれる理由には、スマートフォンを利用した顧客行動への対応不足や、既存顧客の重要性の高まりがあります。

もともとカスタマージャーニーは、テレビCMや新聞折り込みチラシのような企業が能動的に提供する顧客接点を活用し、新規顧客を獲得する意図で主に利用されていました。そのため、一時は「パルス型消費行動(Google が提唱した、商品やサービスの認知と同時に購買を行う消費者行動)」に代表される昨今の消費者の動きを把握できず、既存顧客を重視する潮流にも逆行することから、時代遅れだといわれていました。

しかし、カスタマージャーニーは決して古い概念ではありません。顧客の感情や自社とのタッチポイントの理解は、マーケティング成功の大前提です。時代に合わせて作り方をアップデートしていくことで、カスタマージャーニーは現在でも効果を発揮しています。

3. カスタマージャーニーを作成するメリット

続いて、カスタマージャーニーを作成するメリットを見ていきましょう。

3.1 現状の見直しや課題が見つけやすくなる

    カスタマージャーニーを作成すると、現状を客観的に捉え課題を見つけやすくなり、顧客のフェーズごとにアプローチを変えることができるようになります。

    また、購買に至らない現状をフェーズごとに細分化することで、どこに課題があるのかを発見しやすくなります。

    3.2 優先順位の明確化ができる

      課題や施策の優先順位を明確にできるのもカスタマージャーニー作成のメリットです。複数の商品やブランドを抱えている企業の場合、複数の施策が同時期に企画されることが多々あります。

      その際、カスタマージャーニーマップを参考とすれば「ファネルのどの段階にいる顧客の何の課題を解決すべきか」という主目的が明確になります。今すぐ取り組むべき課題を明らかにし、施策の優先順位を決定できます。

      3.3 認識を合わせることができる

      カスタマージャーニーマップの作成は、社内外の関係者全員が「顧客理解」に対して共通の認識を持つことに繋がります。

      顧客理解の共通認識があると、関係者間での情報共有も早まり、チーム内でのコミュニケーションが活性化していきます。新たに施策の立案や検討をする際のスピード感も向上させられます。

      3.4 顧客目線で考えることができる

      カスタマージャーニーを作成する過程では、常に顧客目線で購買行動を考える必要があります。顧客の考えや行動の背景にある心情、購買に至る行動を考え抜くことは、より顧客目線に近い商品・サービス設計やコミュニケーション設計に繋がります。

      3.5 ブランドの価値を高めることができる

      顧客目線に近い商品・サービスを提供することは、顧客満足度を上昇させブランドの価値を高めていく作業と同じです。ブランドの価値の向上は、自社や製品に愛着を持つファンを増加させ、収益の安定化や終わりのない価格競争からの離脱をもたらしてくれます。

      3.6 顧客接点(タッチポイント)の明確化と強化に繋がる

      カスタマージャーニーマップでは、顧客接点を視覚的に分かりやすい形で一覧化します。その過程では、担当者の思い込みにより見落としていたタッチポイントもあらためて明確化できます。顧客接点別に最適な施策を検討することで、従来とは比べものにならないほど各顧客にパーソナライズされたアクションを実行できるでしょう。

      4. カスタマージャーニーマップ作成の流れやコツ

      では、カスタマージャーニーマップはどのように作成すれば良いのでしょうか。作成する際の流れやコツをご紹介します。

      4.1 ペルソナ・フレームワークの設定

      まずはペルソナを設定することからはじめます。ペルソナでは、購買活動に関わる情報だけでなく、年齢・性別・職業・居住地などの基本情報、趣味やライフスタイルなどの詳細まで設定します。

      基本情報の設定だけでは、ペルソナが抱える課題やニーズの洗い出し、自社の商品・サービスにより得られるベネフィットの想定が難しいためです。そのうえで、目的を新規購入にするか継続利用にするかを決め、フレームワークを設定していきます。

      ペルソナの設定手順や具体例は以下の記事もあわせてご確認ください。

      >>カスタマージャーニー作成におけるペルソナ設定の方法やポイント・注意点とは

      4.2 顧客行動・タッチポイントの可視化

      次に、各フェーズの顧客行動やタッチポイントの可視化を行います。購買行動は一般的に、「認知」「興味関心」「情報収集・理解」「検討」の各フェーズを経て「購入」「継続利用」に繋がるため、ペルソナの行動を時系列で洗い出していきましょう。複数人でブレストしながらタッチポイントを洗い出し、購買行動のフェーズごとに整理していくのがおすすめです。

      4.3 思考・感情の設定

      次に、購買行動のフェーズごとに顧客の思考や感情を洗い出します。顧客の思考や感情を、ポジティブ・ネガティブ両面から、理想論ではなく客観的に設定していきましょう。理想論に偏った思考や感情を設定してしまうと、マーケティング施策全体が机上の空論に終わってしまいます。

      4.4 課題の分析・KPIの設定

      思考・感情の設定が完了した段階で、ひとまずカスタマージャーニーマップは完成です。カスタマージャーニーマップが作成できた後は、各タッチポイントにおける現状の課題を分析し、解決案を探りましょう。課題解決策の発見後は、その取り組みの進捗を客観的に把握できるKPIを設定し、理想に近づいているかどうか定量的に計測します。

      5. カスタマージャーニーマップを作る際の注意点

        カスタマージャーニーマップを作成する際はいくつか注意すべきポイントもあります。主な4つの注意点について解説します。

        5.1 実際の顧客像と乖離のないペルソナ像を設定する

        カスタマージャーニーマップを作る際は、ペルソナで想定する顧客像と実際の顧客の姿が乖離しないように留意しましょう。例えば、自社の主要顧客は20代であるのに高級路線に憧れて40代をペルソナとするなど、実態と乖離させるのは不適切です。

        ペルソナの設定を誤ると、実際の顧客の感情や行動と噛み合わず、カスタマージャーニーマップ全体が無意味なものになってしまいます。

        5.2 優先順位やKPIの設定を明確にする

        カスタマージャーニーマップを活躍させるためには、解決すべき課題や実行すべき施策の優先順位とKPIの設定を明確にしておかなければいけません。この2点が不明瞭では、マップを実務にどう活かしていけば良いか迷いが生じてしまいます。

        ペルソナが購買行動ファネルのどの段階で何の課題を解決し、そこに自社はどのようなブランド体験を提供するのか、その効果の測定にふさわしいKPIとは、などと明確に策定していきましょう。

        5.3 ペルソナの設定を細かくしすぎない

          カスタマージャーニーマップのペルソナは詳細に作る必要がありますが、細かくしすぎないことも重要です。ペルソナの設定が細かすぎると、システムによっては正しいKPIが導き出せなかったり、マップの作成に時間を費やしすぎたりするケースがあります。時にはペルソナの設定にある程度の余白を持たせ、運用しながら詰めていきましょう。

          5.4 繰り返しアップデートする必要がある

          カスタマージャーニーは作って終わりではなく、バージョンアップする必要があります。顧客を取り巻く環境は目まぐるしく変化するため、購買行動も流動的です。現状に合っているかどうかを定期的に確認し、アップデートしていきましょう。

          6. カスタマージャーニーに取り組む際のポイント

            続いて、カスタマージャーニーをマーケティングに活かしていく際のポイントをご紹介します。

            6.1 小単位で切り分け運用する

            一つの商品やサービスであっても、顧客の購入実績や属性・環境によっては複数のペルソナを設定する必要があります。

            通常、カスタマージャーニーマップはペルソナの数だけ作成するため、はじめて取り組む際にはどのマップをどう活用すべきか見失ってしまう失敗がありがちです。解決策として、まずは一つのマップに注力する、あるいはさらにマップ内のフェーズで区切って活用するなど、小単位から運用をスタートしましょう。

            6.2 データを根拠として取り組みを進める

            カスタマージャーニーはデータを根拠としながら取り組みを進めることが重要です。

            カスタマージャーニーマップの活用時には、ペルソナごとにキャンペーンを運用し、改善ポイントを見直すことで、キャンペーンの効率をアップさせていきます。この過程では、客観的なデータを見ながらPDCAサイクルを回すことで、キャンペーンの精度を効率よく向上できます。

            6.3 ツールを活用した施策・シナリオ設計が重要

            前述の通り、カスタマージャーニーは一度作って終わりではありません。作成後もアップデートしたり、複数のペルソナを設定してジャーニーのパターンを増やしたりするなど、時代遅れを避けるための労力が求められます。

            無理なく活用を続けるためには、適切なITツールの導入がおすすめです。扱いやすいツールを利用すれば、マップをもとにした施策・シナリオ設計に求められる時間を短縮でき、素早くPDCAサイクルを回せます。

            7. カスタマージャーニーの取り組み事例を紹介

            Brazeでは、カスタマージャーニーの取り組みをサポートするソリューションを提供しています。ここでは、Brazeを用いてカスタマージャーニーの取り組みを成功させた事例をご紹介します。

            7.1 @cosme SHOPPING

            カスタマージャーニーにより顧客接点を整理し、自社アプリのダウンロード数とMAUを飛躍的に伸ばしたのが「@cosme SHOPPING」です。

            コスメ・美容に関する幅広いサービスを提供する@cosmeには、店舗、メディア、ECサイトとさまざまなタッチポイントがあります。顧客によって利用するサービスもその範囲も異なるなか、全タッチポイントと顧客をつなぐハブとして、自社アプリをもっと活躍させたいと考えていました。

            そこで導入したのがBrazeです。Brazeによって顧客接点を適切に整理し、自社アプリのダウンロード数やMAUを伸ばすべくアプローチを実施。商品ページにポップアップバナーを表示し、ABテストにより素早く効果の出る内容に改善していくなどした結果。導入3ヵ月後には自社アプリのダウンロード数が約3倍に、MAUも1.5倍ほどに増加しました。

            >>Braze導入3ヶ月で昨対MAU1.5倍!@cosmeの多様な入口をアプリで繋ぐアイスタイルの挑戦

            7.2 Coches

            オンライン自動車取引市場のCochesは、カスタマージャーニーを用いて顧客の自社サービス利用と離脱者復帰を促進しています。

            Cochesは、Brazeのカスタマージャーニー作成ツール「Brazeキャンバス」を活用しカスタマージャーニーマップを作成。ユーザーがどのタイミングで自社サービスから離脱しているのかを明確にしたうえで、行動や原因に適したオンボーディング施策(例:フォローアップメッセージの送信)を実行しました。

            結果、サービス内に掲載される車の売買広告数は月に533%も増加。非アクティブになってしまったユーザーへのプッシュ通知に対するコンバージョンも1,500%上昇と、圧倒的な成果を手にしています。

            >>CochesがBrazeキャンバスフローを活用してコンバージョンを1500%増加させた方法

            8. Brazeを活用して精度を高めよう

            多様化かつ複雑化するタッチポイントに対応しながらカスタマージャーニーの精度を高めるためには、ツールの活用が欠かせない時代となりました。

            もし新しいツールの導入をご検討なら、Brazeのカスタマージャーニー作成ツール「Brazeキャンバス」をおすすめします。Brazeキャンバスは、質の高いカスタマージャーニーマップをドラッグ&ドロップで作れるサービスです。顧客行動の分析はもちろん、シナリオの作成とその実行に必要な機能(例:条件別にパーソナライズされたメッセージ送信)が盛り込まれ、ワンツールでさまざまな施策を可能にします。

            メールのみ、プッシュ通知のみといった断続的なアクションではなく、クロスチャネルで顧客にアプローチできるのも特徴。一貫性のある施策の実行をサポートします。

            まずは一度、ぜひご希望のカスタマージャーニーマップの方向性やツールに期待する役割をお知らせください。

            >>Brazeのデモ版のご請求やカスタマージャーニーマップに関するご相談はこちら

            9. まとめ

            この記事では、カスタマージャーニーの意味や必要性、メリット、作成の流れや注意点、取り組み事例をご紹介しました。

            カスタマージャーニーは一度作ったら終わりではなく、絶え間なく変動するユーザーのニーズに応じてアップデートし続ける必要があります。カスタマージャーニーとすべてのキャンペーンを一元化できるBrazeを導入し、より良いブランド体験を長く提供できる体制を整えていきましょう。

            >>カスタマーエンゲージメントで一人ひとりに最適化されたブランド体験を提供する | Braze


            Team Braze

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