カスタマーエンゲージメント


KFCが、顧客の活性化、リテンション、収益化を成功させたアプローチの裏側

Team Braze 作成者: Team Braze 2024/01/25

すべてのブランドが成長目標を達成することを目指していますが、消費者の注目を集め、データやパーソナライゼーションに関する顧客の高い期待に応えることは、多くの企業にとって継続的な成長を実現するための難しい課題です。

ケンタッキーフライドチキン(KFC)にとって、継続的な成長の鍵は顧客ライフサイクル戦略にあります。KFCの成功の秘訣を知るために、我々はForgeでKFCのデジタルエクスペリエンスとプロダクトグロースのシニアディレクターであるAshley Travis氏と対談しました。そこでは、ライフサイクルマネジメントの3つの要素(アクティベーション(活性化)、リテンション(維持)、マネタイゼーション(収益化))に対するKFCのアプローチを紹介し、KFCのマーケターがどのようにそれらを活用して、より強力な成果と顧客との関係を促進しているかを探りました。

KFCの顧客を活性化する方法

ブランド活性化とは、企業のターゲットとなる顧客を惹きつけるためのマーケティング活動を意味します。Ashley氏は、活性化を「アッ!」という瞬間として捉え、これが消費者にとってブランドをより記憶に残るものにすると説明しています。

KFCは、活性化を「アクティブ」と「常時オン」の二つのタイプに分類しています:

アクティブ:大規模なプロモーションやキャンペーンを考えてみてください。これらの活性化の目標は、最初の食事を購入することやアプリのダウンロードなど、多くの顧客に何か次の行動を起こさせることです。

例えば、KFC UKのチームは、報酬プログラムを使って、賞品が当たるチャンスを提供する遊び心のある方法で顧客をアプリに誘導しました。この取り組みが始まってから、新規アプリユーザー数は230万人、ゲームは180万回以上プレイされ、1日のアプリ利用は44%増加しました。

常時オン:このような活性化は、オーガニックや広告、店舗マーケティングなどのチャネルを通じて、顧客とブランドとの小さな繋がりの瞬間を育てます。

KFCのトリニダード・トバゴチームは、アプリのダウンロード数とアカウント登録数の間に差があることに気づき、新規顧客のオンボーディング(初回利用準備)を改善する方法を見つける必要があると認識しました。厳密なA/Bテストを通じて、登録を促進し、ダウンロードから初回購入までの時間を短縮し、大幅な収益を上げるウェルカムジャーニーを見つけ出しました。これは継続的に利益をもたらす活動となり、顧客エンゲージメントプログラムに継続的に貢献しています。

リテンションの秘訣

リテンションは、顧客のエンゲージメントを生み出し、維持するためのビジネス努力に影響される成果指標です。Ashley氏によれば、これはKFCのようなブランドにとって最も難しい要素です。

「毎日KFCを食べる人はいませんが、おいしいものが食べたくなった時に、KFCを思い出してもらいたいんです」とAshley氏は語ります。「そのために、顧客のリテンションとエンゲージメントを高めることは、その時その時の関連性にかかっています。つまり、顧客が食べたいと思う瞬間に、一年を通してさまざまな機会に、より関連性の高いブランドになることが重要です。」

関連性を高めるために、KFCはユーザーデータを活用して顧客体験を向上させています。現代の消費者はブランドが自分のデータを収集していることを知っているとAshley氏は指摘しており、そのデータをどのように使用するかについて一般的に高い期待を持っています。

これらの高い期待に応え、より良いロイヤルティを育むために、KFCは顧客ファーストのアプローチを重視しています:

・KFCのオーストラリアチームは、顧客を購入金額、通常の注文時間、冒険心に基づいて7つのセグメントに分けています。データを分析して、他にも顧客との関わりを深める機会があるかどうかを見極め、その後、Brazeコンテンツカード(アプリやウェブ体験でスムーズに見られるカスタマイズ可能なメッセージチャネル)やアプリ内メッセージを使って、それぞれのユーザーの行動に合ったオファーを提供しています。

・KFCの南アフリカチームは、モバイルアプリを立ち上げずに顧客を引き付ける方法を探していました。彼らの解決策は、Brazeの顧客エンゲージメントプラットフォームを利用して、顧客が新しいメニューを試すことで徐々に獲得できる報酬バッジを作成し、紹介することでした。

KFCが収益化を推進する2つの方法

成功する顧客ライフサイクル戦略の最終段階は収益化で、これは活性化とリテンションの直接的な成果として起こります。企業が顧客との関わりを維持できれば、マーケターはより深い関係を築き、新規顧客や既存顧客の両方を効果的に収益化しやすくなります。

リテンションと同様に、Ashley氏は収益化戦略を充実させるために顧客データを活用することを勧めています。結局のところ、顧客をどのように導くかを知るためには、彼らがブランドとどのように関わっているかについての全体的な理解が必要です。

KFCが顧客エンゲージメントを活用して収益化を促進した2つの方法を紹介します:

・KFCのトリニダード・トバゴチームは、顧客がモバイルアプリをダウンロードしてからの特定の期間を調査し、平均的な顧客が1回のみ注文していることに気づきました。この発見をもとにチームはデータを活用し、収益機会を増やすため各ユーザー向けにパーソナライズされた体験やオファーを提供しました。その結果、注文の頻度が2倍に増えました。

・KFC USは、ビデオゲーム「Diablo IV」との限定コラボレーションを実施しました。KFCで一定額以上を購入した顧客は、Diabloゲーム内で使える特別なコンテンツのプロモーションコードを受け取ることができます。このコラボレーションは大きな注目を集め、両ブランドのファンに支出を増やすきっかけを与えました。また、新しい顧客をKFCのデジタルプラットフォームに引き込み、将来的な収益のチャンスを創出しました。

最後に

新規顧客の獲得から、食欲が湧いたときに最初に思い浮かべるブランドになることまで、KFCはユーザーが体験するあらゆる段階で顧客にアプローチしています。彼らの総合的なライフサイクル戦略は、パーソナライゼーション、クロスチャネルでの取り組み、明確な目標設定により、効果的な顧客エンゲージメントが持続可能な成功をもたらすことを実証し続けています。

他の有名ブランドやデジタルの専門家たちが、どのように顧客エンゲージメント戦略で成功を収めているかについて詳しく知りたい方は2023年Forgeカンファレンスのハイライトをぜひご覧ください。

KFCの事例はこちら:

KFCトリニダード・トバゴがBrazeキャンバスフローを活用して売上を増やした方法

KFCフィリピンがオーディエンス連携を使って収益を4倍に増やした方法

KFCエクアドルが、クロスチャネルマーケティングで収益を15%増加に成功


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