カスタマーエンゲージメントレビュー

カスタマーエンゲージメント


2022年、カスタマーエンゲージメント時代へ 「顧客が求めているコミュニケーションの実現に向けて」

田中 裕一 作成者: 田中 裕一 2022/02/17

「カスタマー:顧客」がキーワード

キーワードの中で、「カスタマー」がつく言葉を、どのくらい思い浮かべることができますか?例えば、カスタマーリレーションシップマネージメント (CRM)、カスタマージャニー、カスタマーデータ プラットフォーム(CDP)、カスタマーサクセス、カスタマーエクスペリエンス(CX)など、ビジネスリーダーから、マーケター、エンジニアまで、日常的に、これらのキーワードを使いながら、マーケティング戦略や施策のミーティング、会話をしているのではないでしょうか。また、インターネットや書籍など、多くのコンテンツを通じて、最新トレンドや情報を入手することができます。

では、「カスタマーエンゲージメント」というキーワードは、ご存知でしょうか?
日本では、顧客エンゲージメントとしても紹介されています。

カスタマーエンゲージメントの日本での検索ボリュームは、まだカスタマージャーニーやカスタマーサクセスのように毎月数万件の検索ボリュームはありませんが、昨年度比で23%増加しているキーワードです。

ゼロ・ファーストデータ パーティリレーションシップを創っていく

これから、サードパーティクッキーデータの規制により、ブランド(企業)は、ゼロ・ファーストパーティデータへの移行が必要となります。ブランド(企業)は、直接、消費者とつながるためのデータ戦略に投資を検討しています。そして消費者は今、ブランド(企業)に対して的確なメッセージを、最適なタイミング、様々なクロスチャネルを通じた、「人間らしいコミュニケーション」を求めています。コロナ禍によって、デジタル化が加速し、浸透が進むにつれて、消費者の購買行動やロイヤリティのあり方が変わってきています。

消費者の一人として見た私自身もこの1年間に、リテール&Eコマース、メディア&エンターティメント、クイックレストランサービス&デリバリーを中心に、スマートフォーンにモバイルアプリをインストールし、オンラインで予約、購買を行い、ブランド(企業)とリレーションシップを持っています。そして、キャンペーン情報やクーポンの案内を利用して、オンライン、オフラインを使い分けながら、購買を行なっています。

今、消費者はかつてないほど、多くの情報、選択肢を持ち、クロスチャネルでのコミュニケーションを通じて、オンライン、オフラインを問わずに、自由に購買ができる時代となっています。ブランド(企業)は、消費者が求めているマーケティング・コミュニケーションを推進するために「Customer Centricity(カスタマー セントリリシティ)」、すなわち「顧客中心」のアプローチが必要となっています。「Customer Centricity(カスタマー セントリリシティ)」は、米国ペンシルバニア大学ウォートン校 Peter Fader教授が2012年に発表したものです。日本でも、「顧客」をテーマに関する書籍、リサーチ、事例もたくさんあり、ブランド(企業)は、既に「顧客中心」の戦略と施策に取り組んでいます。

「顧客中心」アプローチのバージョン・アップを考える

2022年、ブランド(企業)は、時代・消費者の変化に柔軟性を持って対応するために、マーケティングの中で、「顧客中心」アプローチのバージョン・アップが求められているのではないでしょうか。その鍵になるのが、「データ」、「テクノロジー」、「アジャイル型組織」で推進する「カスタマーエンゲージメント」戦略と実行です。

「カスタマーエンゲージメント」は、ブランド(企業)が、顧客データをもとにセグメンテーションを行い、社内の横断的なチームが連携しながら、顧客に合うメッセージをメール、 SMS /MMS、アプリ内メッセージ(IAM)、モバイルプッシュ通知、Webプッシュなどのクロスチャネルを通じて、リアルタイムに行うコミュニケーション活動です。

ブランド(企業)は「カスタマーエンゲージメント」戦略と実行によって、直接、顧客の行動やリアクションをデータから学び、顧客を理解することによって、顧客ごとにブランド体験価値を高めることができます。さらに、顧客の行動的、心理的なロイヤリティを獲得する施策から、ライフタイムバリューを向上させ、ビジネスの成長をもたらします。

「カスタマーエンゲージメント」の取り組みが、“優れている”または“良い”と評価しているブランド(企業)の98%は、収益目標を上回っているという結果が出ています。

2022年、「カスタマーエンゲージメント」戦略と実行に向けて

最新の「カスタマーエンゲージメント」の取り組みについては、ぜひ「2022 グローバル カスタマー エンゲージメント レビュー」を参考にしてください。世界14ヶ国(オーストラリア、フランス、
ドイツ、インドネシア、日本、フィリピン、シンガポール、スペイン、韓国、スウェーデン、
タイ、アラブ首長国連邦/ドバイ、英国、米国)
の年間売上高1,000 万ドル以上のB2C 企業、1,500人のマーケティングエクゼクティブを対象に調査、5つの業界(リテール&Eコマース、クイックサービスレストラン&デリバリー、メディア&エンターティメント、健康&ウェルネス、金融サービス)と3つの地域(アジア太平洋(日本を含む)、ヨーロッパ・中東・アフリカ、米国)から最新トレンド、各業界のお客様事例、ブランド(企業)のカスタマーエンゲージメントの成熟度モデルを紹介しています。

URL:https://www.braze.co.jp/resour...


田中 裕一

田中 裕一

Braze株式会社マーケティング本部長。

学びをモットーに、日々チャレンジ。日本一周、世界遺産巡り、MICEビジネス、観光に興味を持っています。

関連コンテンツ

Two puzzle pieces with logos representing marketing and tech teams

LTKとVSCOから学ぶ、マーケティングチームと技術チームがうまく協業する方法

もっと読む

クロスチャネル

大規模で洗練されたマーケティングを実現: 2023年、BrazeはいかにしてJust-in-TimeかつJust-For-Youメッセージングを可能にしたか?

もっと読む

カスタマーエンゲージメントの成功の秘訣に迫る

もっと読む

Braze Alloys

GOAT・Rappi・SimpliSafe・Shopifyによるライフサイクルを通じた関係を築く方法

もっと読む