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ファーストパーティデータをフル活用!顧客データを充実させ、より良いマーケティングを

Team Braze 作成者: Team Braze 2023/11/05

業界を問わず、ブランドが顧客データを把握し、最大限に活用することは難しくなっています。サードパーティデータを取り巻く環境が大きく変化し、グーグルやメタのような大手が力を持つ広告のエコシステムがますます強力で複雑になっているため、企業が自社の顧客を理解し、長期にわたって良好な関係を築くのに苦労しています。

そのような状況を解決し、重要なカスタマーエンゲージメントとビジネス成果をコントロールするために、賢明なマーケターが使っている2つの重要なアプローチを探っていきましょう。1つ目は、サードパーティの顧客情報に依存するのではなく、ファーストパーティデータの収集と最大化に注力することです。2つ目は、自社が知っているユーザーと知らないユーザーを認識し、いわゆる "匿名ユーザー "をエンゲージし、コンバージョンさせることです。

リーチしている匿名ユーザーのパワーを活用し、彼らについてより深く知り、彼らを活性化させ、収益化することは、広告費を削減するなどの獲得コストを削減するだけでなく、ブランドの成長を加速させる力があります。では、どうすればそのようなことができるのか、掘り下げてみましょう。その前に、なぜ今、データの独立性が非常に重要なのかを解説します。

最善の努力を尽くしても、ほとんどのブランドは顧客データを管理できていない

過去20年の間に、主要な広告プラットフォームは、サードパーティの消費者データとデジタル広告の領域をある程度掌握することに成功しました。その結果、企業は毎年、グーグル、アマゾン、メタ(フェイスブック)、アップルといった企業に巨額の資金を支払って獲得活動を行わざるを得なくなったのです。このような投資に対するリターンは少なく、多くのデメリットを伴う可能性があります。


フェイスブックのプラットフォームの仕様は、事実上、競合他社にオーディエンスを売っているようなもので、グーグルは、多くの場合、自然に自社のウェブサイトを見つけるかもしれないユーザーにリーチするために、ブランドがお金を支払わなければならないようなものです。アマゾンとアップルにはそれぞれ欠点があり、マーケティング担当者は新たなユーザーを獲得するために妥協を強いられている状況です。果たして、持続可能な成長にとって、どれほどの代償をはらうことになるのでしょうか?

これらの主要な広告プラットフォームが、ブランドが意図したオーディエンスにリーチできるかどうかに多大な影響力を持つだけでなく、このような状況はサードパーティへの依存を助長しています。その結果、多くの企業は、獲得に成功したユーザーに対してマーケティングを行い、長期にわたって持続可能な関係を築くために、自社が持つ可能性を認識できていないのです。

新規顧客を獲得し続けるよりも(あるいは、一度離れた顧客を取り戻そうとするよりも)、既存顧客を取り込み、維持する方がはるかに簡単で、コストもかかりません。実際、研究者たちはリテンションの価値を計算し、ブランドがわずか5%でも多くの顧客を維持できれば、25%から95%の利益を得ることができることを発見しています。しかし、多くの企業は、新たに獲得した顧客を維持するためのカスタマーエンゲージメント戦略を欠いているか、非効率な戦略をとっています。その結果、努力の大部分は無駄になり、ブランドは遊ぶために金を払うという無限ループから抜け出せなくなっているのです。

効果的な顧客データ管理と、データの独立性を獲得するための4つのステップ

ステップ1:ファーストパーティデータが、カスタマーエンゲージメント活動を強化する鍵であることを認識する

その名が示すように、サードパーティデータは本来、グーグルやアップルのようなプラットフォームなどの、サードパーティによって管理され、サードパーティ経由で利用可能なデータです。一方、ファーストパーティデータは、自社の顧客ベースから直接収集されるため、自社が直接管理できる情報です。そのため、ファーストパーティデータは、御社の顧客が、ウェブサイト、アプリ、メッセージングにどのように関与しているかを知ることができるはずなのです。

ファーストパーティデータとサードパーティデータの例

ブランドは、有益なファーストパーティデータを収集し活用することで、オーディエンスが誰なのか、何に興味があるのか、その瞬間の欲求やニーズは何なのかをよりよく理解することができます。

顧客データを活用し、顧客理解、カスタマーエンゲージメント、顧客体験を向上させるためのステップ

ファーストパーティデータの収集と維持に投資することは、「ほとんど一度きりの顧客獲得」と、「長期的な顧客ロイヤリティの構築」という違いを意味します。それだけでなく、サードパーティデータは急速に時代遅れになりつつあるのです。2021年、グーグルは自社のプラットフォームを通じて収集したサードパーティデータの背後にあるサードパーティクッキーを廃止する計画を発表しました。アップルのブラウザであるSafariは、2020年3月からサードパーティーCookieを全面的にブロックしています。アップルはドメインを横断したトラッキングを防止する機能があるITP(Intelligent Tracking Prevention)をSafariに搭載し、それをさらにアップデートして個人情報のトラッキングを防ぐという、強いプライバシー保護の姿勢を示しています。

その結果、マーケティング担当者の40%近くが、ゼロパーティデータ(ユーザーによって共有されるデータ)やファーストパーティデータ(ユーザーの同意を得て収集されるデータ)戦略への投資を増やすことで、こうした変化へ対応できる積極的な取り組みを計画しています。もしあなたがまだ何もしていないのなら、今後、困難な状況に陥るかもしれません。

ステップ2:ファーストパーティデータを優先し、製品や体験の真の価値を把握できるエコシステムに投資する

万能な技術というものは存在しませんが、優れたマーケティングテクノロジーエコシステムには、データの独立性と、データの俊敏性の育成に重点を置くという共通点があります。そして、ブランドがカスタマーデータプラットフォーム(CDP)とBrazeのようなカスタマーエンゲージメントプラットフォームを併用することで、その目的を達成することが容易になるのです。これらのテクノロジーを組み合わせることで、企業は次のようなことが可能になります:

・データ統合、ガバナンス、オーディエンス管理の改善

・多様なプラットフォーム、チャネル、その他のソースからのファーストパーティデータを取得し、統合することで、顧客データを充実させる

・顧客データの正確性を確保

・顧客行動分析を加速

・顧客一人ひとりをより全体的に把握し、顧客の正しい情報を一元化

・真の価値を示すリアルタイムのパーソナライゼーションを推進

・ユーザーの行動に応じてリアルタイムに更新される、より効果的なオーディエンスの構築

・マーケティング投資とプログラムを最大限に活用

・ユーザーのニーズとウォンツを満たすために、顧客体験を合理化し、強化する

・カスタマーエンゲージメントチャネルを上手く活用し、有意義な結果を出す

ステップ3:既知のユーザーだけに注目するのをやめ、匿名ユーザーの価値を見出す

ほとんどのマーケティング担当者は、既知のユーザー、つまりアカウントを作成したり、その他の方法で自分を特定したユーザーを活性化し、エンゲージし、収益化することにキャンペーンを集中させています。このようなユーザーにリーチすることは重要ですが、既知のユーザーが、潜在顧客のごく一部に過ぎない傾向がある世界で、このようなマーケティングは十分ではありません。

Brazeが発表した2022年 グローバルカスタマーエンゲージメントレビューによると、ブランドの新規ユーザーのうち、既知のユーザーは43%に過ぎません。残りの57%は匿名ユーザーで、ログインせずにウェブサイト上で行動を起こしたり、「ゲストとして続ける」ことを選んだり、公式なIDを与えられていないユーザーです。このユーザーたちは、丁寧に接すれば貴重な顧客になりうるのです。私たちの調査では、たった1つのメッセージングチャネルで匿名ユーザーにメッセージを送っただけで、購入の可能性が5.3倍上昇したことが分かりました。

したがって、ブランドがカスタマーエンゲージメントを促進するためにファーストパーティデータ収集をする方向にシフトするにつれて、これらの匿名ユーザーを活性化することは、ブランドのマーケティング戦略においてより大きな部分を占めなければなりません。

ステップ4:匿名ユーザーを既知ユーザーに変える

今この瞬間にも、匿名のユーザーが無数のブランドのウェブサイトやアプリに参加しているという現実があります。しかし、多くのブランドがこのようなユーザーをどのように扱っているのか、あなたは知らないでしょう。2022年 グローバルカスタマーエンゲージメントレビュー に掲載されたBrazeの調査によると、匿名ユーザーの最大80%はブランドからのマーケティングメッセージを受け取っていません。このようなターゲットを絞ったエンゲージメントの欠如は、全体的なコンバージョン率とカスタマーエンゲージメントの指標を低下させている可能性が高く、ブランドは未実現の収益で何億円もの損失を被る可能性があります。

ただ、幸いなことに、この問題には解決策があります。賢いブランドは、アカウント作成キャンペーンを利用して匿名ユーザーをターゲットにし、彼らを既知の顧客に変えているのです。

Webチャネルを活用したアカウント作成キャンペーンの例

匿名ユーザーを既知の顧客に変えることには価値があります。匿名ユーザーは、アプリ内やブラウザ内のメッセージのような製品内のチャネルや、メールマーケティングやSMSのような製品外のメッセージを通じてメッセージを受け取った場合、最大20%多くの消費をします。それだけでなく、ウィンドウショッパーから有料顧客に転換する可能性も21倍高くなるのです。

次のステップへ

目まぐるしく変化するデータ環境を受け入れ、ファーストパーティデータと匿名ユーザーによってもたらされる可能性に身を投じることで、新たなチャンスができます。グーグルやアップルのような強力なゲートキーパーの制約から解放されるだけでなく、顧客(既知のユーザーと匿名のユーザーの両方)をより深く理解するようになり、エンゲージメント戦略と全体的なビジネス成果を向上させてくれるでしょう。


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